あなたのテーマでディープな函館 「縄文」

中空土偶に会える、函館市縄文文化交流センター

110926k01.jpg北海道唯一の国宝である「中空土偶」の常設展示を行う「函館市縄文文化交流センター」が、2011年10月1日にオープンしました。

豊かな山の幸と海の幸に恵まれた函館市の南茅部地区は、縄文文化が特に栄えた地域。大船・垣ノ島・著保内野(ちょぼないの)など、大小の遺跡が多数発見されています。そんな『縄文の里』に建つ縄文文化交流センターは、博物館法に基づく登録博物館。国道278号線のバイパス沿いにあり、道の駅機能も持つ同センターは、国内唯一の「国宝のある道の駅」としても注目されています。

オープンに先立って行われた内覧会に「はこぶら」記者も参加、縄文ロマンあふれる展示内容をレポートします。

 

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◆世界の中で注目される縄文文化を実感

博物館の建物は、鉄筋コンクリート造りの2階建て。チケットを購入して館内へ。入ったところが2階になりますので、お間違えないように。

入ってすぐ展示されているのは、国内と世界の文明を対比させた年表。世界では様々な文明が移り変わっていった中、約1万年も続いた縄文文化は、世界的に見ても特異であることがわかります。

「これほど長く続いた文明には何か学ぶところがあるのではないかと、最近では世界的に縄文文化が注目されてきています」と説明する、館長(当時)の阿部千春さん。

 

 

◆神秘的な雰囲気の土器や石器の展示室

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土器や石器などがある展示室は1階部分。階段を下りていきましょう。エレベーターもありますので、足の不自由なかたもご心配なく。

展示室に一歩入ると薄暗さにびっくりするかもしれませんが、謎の多い縄文文化の神秘性を演出してくれているようです。

展示ケースの中には漁労や狩猟などに使用した釣り針や矢じりなどの道具(下左)が多数展示されているほか、貝塚から発見された動物や魚の骨なども種類ごとに並べられています(中)。ウニの殻やアワビの貝殻も見つかっているとのこと(右)。縄文人の食卓はなかなかに豪華だったようですね!

 

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このほか、当時の狩猟の様子を描いたと思われる鹿の模様の刻まれた土器(左)、土瓶のように見事に造形された注口土器(中)、
津軽海峡をはさんだ交易が当時から行われていたことを示すヒスイの飾り(右)など、
南茅部地区の遺跡から発見された遺物約1200点が展示されています。


110926k19.jpg子どもの足や手の型が押された「足形付土版」は、大変珍しいもののひとつ。縄文時代でも限られた時期に、北海道の函館と千歳・苫小牧地区だけで作られていた土製品です。

亡くなった子どもの足型をとって住居の中に吊るし、子どもを偲んだのではないかと考えられているそう。大人の墓から出土することから、親が亡くなった際に一緒に埋葬されたと思われています。今と変わらぬ、縄文時代の親たちの愛情が感じられますね。

(補記:豊原4遺跡出土の足形付土版等は2016年3月、国の重要文化財への指定が答申されました)

 

 


  

110926k20.jpg◆国宝展示室で、いよいよ中空土偶と対面! 

国宝の中空土偶とは、見学コースの最後に対面できます。真上からぼんやりと照らすスポットライトの光を浴びて、暗闇の中に浮かび上がる姿はとても幻想的。

中空土偶は1975年(昭和50年)、旧南茅部町で農作業中の町民によって発見されました。約3500年前の縄文後期に作られたと推定され、穏やかな表情、美しいボディライン、巧みな幾何学模様などから、「北の縄文ビーナス」として人気を集めています。

本当は近くに寄ったところから全身をくまなくお見せしたいところですが、楽しみがなくなってしまうといけないので、遠目の写真でどうぞ(笑)。現地に行って、ぜひ実物を間近でご覧ください。 

 

 

 

 

 

 

◆体験学習室では、土器や装飾品づくりも体験可能

縄文文化にたっぷり触れたあとは、2階の体験学習室にて縄文体験を楽しむことができます。
体験メニューは土器づくりや縄文ペンダントづくりなど。
体験料は、土笛づくりが500円、拓本とりが200円、その他は350円となっています(詳細はこちら)。
函館市埋蔵文化財事業団の皆さんが講師となって親切に教えてくれますので、お気軽にどうぞ。予約不要です。

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◆ガラスごしに見渡せる縄文遺跡

110926k03.jpg2階の休憩スペースからは、国の史跡に認定された垣ノ島遺跡と、縄文人に豊かな恵みを提供した南茅部の海が見渡せます。

見学を終えてからこの景色を見ると、なんだかぐっと縄文時代が近くなったような気がしてきます。高い精神性や芸術性を持ち、自然と共生する文化を守り続けてきた縄文の人々が暮らしてきたこの地で、あなたもその文化を体感してみませんか?

※記者K 2011/9/26取材、9/27公開 2012/9/6更新

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110926k23.jpg函館市縄文文化交流センター 
所在地 函館市臼尻町551番地1 道の駅「縄文ロマン南かやべ」を併設 
電話 0138-25-2030
開館時間 9:00~17:00(11~3月は16:30まで) 
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)、毎月最終金曜日、12/29~1/3
入館料 一般300円、大・高・中・小150円(市内の小中学生は無料)
函館駅からのアクセス 函館駅前ターミナル6番乗り場から川汲経由鹿部行きのバスに乗って約90分、臼尻小学校前下車、徒歩約10分(地図はこちら)。
展示内容 中空土偶、大船・垣ノ島・著保内野(ちょぼないの)遺跡などで発掘された土器、石器など