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雨の街を駆け抜けた、2016函館マラソンレポート

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2016年6月26日、函館で初のフルマラソンレースを含む「函館マラソン」が開催されました。6873人のランナーが函館の街を快走! 雨まじりのお天気を吹き飛ばすような、粘りの走りと熱い応援が繰り広げられました。海や山を望む眺めのいい場所や観光スポットも含む多彩なコースを、はこぶらスタッフ7名による渾身レポートでお伝えします。


◆スタートは千代台陸上競技場。全天候型舗装のトラックから出走

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函館マラソンのスタート&ゴール地点となるのは、千代台陸上競技場。中央の芝生を除いてトラックなどは全天候型舗装、スタンドの一部は屋根つきとなっています。

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「千代台」電停のすぐそばですが、8時半から市電が運休になるとあって、早いランナーは7時ごろから会場入り。8時をすぎると、続々とランナーが会場にやってきて、荷物を預けたり、ウォームアップをしたり。観客は、それをスタンドに陣取って眺めることができます。

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毎年、スタートするランナーたちを見守る函館市長と、2016年のゲストランナー、はこだて観光大使のタレント・福島和可菜さん。これからフルマラソンを走ります。

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ハーフのランナーは白いゼッケン、フルのランナーは黄色で区別されます。はこぶらスタッフもフルマラソンにエントリー。申告タイム別に集合場所が分かれていて、順にスタートします。
160626A05.JPGスタンドの最前部から、スタート地点は目の前です。初夏の函館は、暑いこともありますが、ものすごく寒くなる場合もあるので、外で待つ時間が長い観戦者は、気温や風の予想を調べて、防寒着を持参するといいでしょう。

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9時号砲! マラソンゲートをくぐって、招待選手などトップランナーが一瞬のうちに駆け抜けていきます。そのスピードにびっくり。ゲート横や上から、観客のみなさんが声援を送ります(2017年からは9時にハーフマラソンスタート、9時10分にフルマラソンスタート)。

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続いて、一般ランナーが競技場をあとにします。うちわや旗などの応援グッズは、ランナーのかたに大好評。特定の人の応援でなくても、走る人みんなにエールが伝わりやすいのでおすすめです。


◆湯の川温泉街でフルとハーフのルートが分かれます

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競技場から7キロほど走ると、函館随一の温泉地・湯の川エリア。大きなホテルが建ち並ぶ温泉街にまず到達したのはハーフのトップランナー、しばらくしてフルのランナーも続々とやってきて、この先で折り返してきたハーフランナーも一緒になり、とてもにぎやかです。

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湯の川を流れて津軽海峡に注ぐ松倉川。汐見橋をランナーが行き交います。

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根崎交差点近くで、ハーフマラソン最初の折り返し。「ハーフは右! フルは左!」の誘導の声を聞いて、内側から右に折り返すハーフのランナーと、外側を直進するフルのランナーが分かれていきます。

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天気がころころと変わるあいにくの天候でしたが、ホテルの前にも、ランナーに熱い声援を送る観光客のかたらしき姿が。

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一般ランナーに混じって、医師や看護師らのメディカルランナーや、「AEDバイク(自転車)隊」も走行。ランナーの安全をサポートしていました。

【湯の川取材担当・記者X】
ハーフのランナーが到着してから、フルのランナーが第2折り返しから戻って通過していくまで、長い時間、人波が絶えないので、自分のペースで応援できます。特に観客が多かったのは、汐見橋の先からハーフの第1折り返しにかけて。折り返しでは、時折吹く突風に係員のかたがコーンを押さえる一幕も......おつかれさまでした。


◆フルマラソンの新設コース、アップダウンの多い函館空港~旧戸井線

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湯の川でハーフと別れて、フルのランナーはコースの最東部へ。函館空港に向かう上り坂で第1折り返しのあと、旧戸井線の高台を走って第2折り返し。このあたりの志海苔エリアでは、漁師町ならではの大漁旗を振った応援があり、ランナーを鼓舞していました。

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旧戸井線は、全ルートの中でもっとも標高の高い部分。天気がよければ、眼下に津軽海峡が望める地点がいくつかあり、単調になりがちな折り返しコースの楽しみにもなります。


◆折り返し後、漁火通りを走って一路函館山方面へ

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フルもハーフも、序盤の折り返しのあと、漁火通りを走って函館山のふもとに向かいます。まずはハーフのトップ集団が、駆け引きしながら走り抜けていきます。3位集団の中に、招待選手の「公務員ランナー」、川内優輝選手の姿も(写真中ほど)。

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啄木小公園あたりでは、津軽海峡と函館山が一望できることで、ランナーの気分も上がります。長い直線道路で目当てのランナーを探しやすく、例年応援する人にも人気のスポット。横でランナーを見守るのは、石川啄木像。公園内にはハマナスの花が咲いていました。

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海を感じながら走る漁火通りだけに、今年は、全ルートのなかでもっとも風が強く感じられた部分だったよう。ここはひたすらがまんの走りです。

【漁火通り取材担当・編集室N】
湯の川温泉と函館駅のちょうど中間くらいにある啄木小公園は、ゴールの千代台陸上競技場にも比較的近いので、レース中盤、ここで声援を送ったあと、急いでゴール地点に向かえば、ゴールシーンも見られそうな、おすすめ観戦スポットです。


◆電車通りを走って、函館山のふもとで折り返し

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続いての見どころは、市電の宝来町電停から青柳町・谷地頭電停にかけての、高低差のある坂道。レース先頭を走るハーフマラソンの招待選手は、ここでも駆け引きをしながらの走りで、坂道でもペースを変えず、平地のように力強く走り抜けるのには驚かされました。

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交通規制がかかる前から、間近で観戦しようと沿道に陣取る地元住民が多く、地域の一大イベントとしても注目されている様子。拍手でランナーを出迎えたり、オリジナルのパネルや鈴などを持参しての応援もあり、大いに盛り上がりました。

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ハーフの折り返しは青柳町電停近く、フルの折り返しはもう少し先の谷地頭電停の先。

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映画やCMのロケ地にもたびたび選ばれる坂。ハーフは15キロ、フルは25キロ前後と、コースの後半での坂道の上り下り、しかも天候不順ということもあり、歩きだすランナーもありましたが、声援を受け、力を振り絞って再び走り出す姿が印象的でした。

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函館山の緑を背に、次のエリアに向かいます。
 
【青柳町・谷地頭取材担当・記者TT】
ふだんは静かな住宅街ですが、毎年、熱い応援が評判のエリア。ランナーと歩道から見守る観客との距離が近く、走る足音や息づかいなどもはっきり聞こえてくるのが、このエリアでの観戦の醍醐味だと思います。


◆フル単独の終盤に待つ正念場、港にかかるともえ大橋

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しばらくコースを共にしていたフルとハーフのランナーですが、競技場付近でハーフがひと足先にゴールに向かい、フルは新設された函館港を巡るルートへ。30キロすぎからJR跨線橋を経て湾岸高架道路のともえ大橋に上るという、アップダウンのある部分なので、大変きつそうです。

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函館山を正面に見ての往路は街側。函館駅前の街並みが左手に見えます。

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函館山を背にして戻ってくる復路は海側。さらに外側に歩道があり、眼下に函館湾、反対側に函館の街並み、奥に函館山という、函館を象徴するような景色の中で観戦できます。ただ、海の上で風がとても強く、観客の差している傘が次々に壊れてしまうという場面も......。

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ともえ大橋で観戦する場合は、函館駅前の青函連絡船記念館摩周丸近くにあるループ状の昇降階段から上がるのがおすすめです。

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ともえ大橋は長さ約2キロの長い高架道路なので、橋の両端と昇降階段がある場所以外は応援する人の姿はありません。ランナーにとっては、体力的に厳しい中での孤独な戦いとなります。

【ともえ大橋取材担当・記者K】
フルマラソンになってから追加された新しいルートだったこともあって、「ともえ大橋の上」から観戦しようという人は少なく、ランナーと観客の親密度からいくと、かなりの穴場だったように思います。ランナーにとっては、特に応援がほしい終盤の要所だと思うので、来年お天気がよければ、ここから観戦する人がもっと増えてほしいですね。


◆フルのクライマックスは、人気スポットが集まるベイエリア

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ともえ大橋を渡り終えると、まもなくベイエリア。七財橋のアップダウンを越えて、赤レンガ倉庫街にさしかかります。写真などで目にしたことがある人気スポットで、観光客からの応援もここからぐっと多くなるので、もうひとがんばりの元気も湧いてくるところ。

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金森洋物館とBAYはこだての間のブリッジから見える、七財橋を行き交うランナーたち。その向こうに見えるのは、最大のフードエイドがある緑の島です。

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このあたりの足元は石畳。雨に濡れるとすべりやすいので、ランナーたちは慎重に足を運んでいます。ベイサイドに建つラッキーピエロ マリーナ末広店前にも、雨にも負けず声援を送る人たちの姿が。

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赤レンガを抜けると、進行方向を90度転換して湾岸沿いに進みます。沿道での観戦は、歩道が狭い赤レンガ倉庫付近より、広々としたこのあたり(カリフォルニアベイビー付近)がおすすめ。往路復路のランナーがカーブをきってすれ違うところで応援することができます。

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港を見ながら走る道沿いでは、「8182番、ガンバ!」など、ゼッケンナンバーをマイクでコールしながらの「音響応援」が、ランナーを力づけていました。熱烈な声援に手を挙げて応えるランナーたち。時折流れるテンション上げ上げの曲も大好評です。

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コース周辺には、重要文化財の太刀川家住宅店舗など、歴史的建造物が点在。函館らしい街並みを駆け抜け、西ふ頭付近で折り返すとスタートしてから35キロ超、続いて緑の島へと進みます。


◆大会最大のエイドステーションが待つ緑の島へ

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函館港に浮かぶ人工島である緑の島へは、新島橋を渡って上陸します。

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ここで迎えるのは、函館巴太鼓の勇壮な響き。途切れることなく演奏しつづける姿に、ランナーたちも拍手を送りながら走っていきます。

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緑の島では、函館の名物をとりそろえて、ランナーたちをおもてなし。冷やし塩ラーメン、漁り火がごめ丼、夕張メロン、チーズオムレット、カステラ饅頭などの提供に、しばし足をとめて、エネルギーをチャージしていました。

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折り返しでは、函館の観光PRキャラクター「イカール星人」と、ミスはこだてがエール!

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海に浮かぶ島らしく、ドックの船などが見渡せる好ロケーション。フードエイドで力をつけたランナーたちが、競技場のゴールに向けて再び駆け出していきました。

【ベイエリア・緑の島取材担当・編集室M】
新設されたフルマラソンコースの目玉ともいえる、赤レンガ倉庫をはじめとするベイエリア。天気さえよければ、走る人、応援する人、写真を撮る人、観光のかたわら見物する人、それぞれにレースを満喫できるでしょう。観光ルートのなかをずっと走っていくので、観覧場所を見つけるのにも苦労しないはずです。ベイエリアの景色は開放的で、緑の島のエイドフードも本当に豪華。見ていると、自分も走ってみたくなりました。


◆ゴールの千代台陸上競技場では、おもてなしイベントも

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ハーフ・フルとも、ゴールはスタートと同じ千代台陸上競技場。トップランナーたちは、ゴールした後もすぐに元気になって、話したり、記念写真に応じたり。アマチュアランナーたちもほとんどの人は元気で、お互いの頑張りをたたえ合っていました。

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走り終えたランナーたちには、夕張メロンなどのふるまいがあり、大人気。

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メロンを口にして、思わず顔がほころぶ川内優輝選手。おつかれさまでした! 競技場外の広場では、地元の美味しいものやステージイベントを楽しむ「函マラおもてなしフェスタ」も開催されていました。

【千代台陸上競技場取材担当・編集室A】
9時にスタートして、10時過ぎにはハーフのトップランナーが帰ってきます。途中、競技場では現在の順位などのアナウンスがあり、意外に時間がたつのは早いなという印象。若いランナーから、70歳以上のかたまで、みなさんとても素敵でした。スタート前の会場はエネルギーに満ちている感じで、ゴールし始めてからはランナー達の笑顔があふれて......天候には恵まれなかったけれど、会場全体が気持ちのいいオーラに包まれて、いい刺激をもらいました。


◆コースマップと開催データ
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2016函館マラソン
エントリー フル4049人 ハーフ3886人 合計7935人
出走   フル3670人 ハーフ3203人 合計6873人
完走   フル3330人 ハーフ3144人 合計6474人
(データ提供/実行委員会事務局)

【フルマラソン参加、旧戸井線レポート・制作室YY】
これまで参加したことのあるマラソン大会に比べて、カーブと起伏の多さ&風の強さで、なかなか大変なコースでした。街なかのコンパクトなエリアを走るので折り返しが多いのも精神的にきつかった一方で、沿道の応援やエイドのボランティの人たちを含めての一体感がすごくて、疲れも癒されました。参加者については、ほとんどの皆さんが「本気ランナー」というほどの顔つきでなく、気軽に参加している感じが多かったようです。格好もマラソンらしいスタイルの人もいれば、野球やサッカーのユニフォーム、お洒落なTシャツの人もいて、こちらも「お祭り感」の楽しさが出ていました。競技大会としても、いろいろな規制もしっかりあり、ランナーの本気度に応える制度づくりがされていました。個人的には30km手前でほぼ歩いていた状態でしたが、それでも沿道の方々は「頑張れ!頑張れ!」と声をかけてくれてとても嬉しかったです。また来年、リベンジしたいと思います!


※まとめ/編集室M
取材/記者X、記者TT、記者K、制作室YY、編集室A、編集室N、編集室M
2016/6/26取材、6/30公開、2017/2/9更新


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