極上の津軽海峡産「戸井マグロ」が食べたい!
110124deliciousK01.jpg函館・戸井産のマグロが人気を集めています。元々、質のよさは折り紙つきでしたが、2011年の東京・築地市場の初競りで、1本342㎏の大物クロマグロ(本マグロ)が3249万円という史上最高値(当時)に輝いたことから、その極上の味に注目が集まりました。

「函館に行ったら、戸井のマグロを食べたい」という人に、マグロにこだわりを持つ寿司店をご紹介しましょう。その時期にいちばんおいしいマグロを仕入れ、きちんとした保存方法で、食べごろのものを提供する。マグロの魅力について尋ねれば、次々と興味深い話が飛び出してくるのも、マグロ自慢の店ならではの楽しみです。

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◆水揚げ後の処理技術が自慢の「戸井活〆鮪」
近海の本マグロといえば、これまで函館の対岸にある青森県の「大間のマグロ」が有名でしたが、大間と戸井はその距離20キロ弱。どちらのマグロも、同じ津軽海峡が漁場です。
戸井のマグロの品質が日本一といわれるのは、水揚げ後の処理技術の高さから。はえ縄漁という漁法をとり、大型船で漁に出て、獲った直後に船上で血抜きを施し、すぐに氷水で冷やしながら港に戻るため、身の変色や脂の酸化が抑えられ、鮮度が高く保たれます。
「戸井活〆鮪」のステッカーは、高品質ブランドの証です。

◆津軽海峡のマグロは、イカと青魚でおいしくなる
もうひとつ、戸井マグロをはじめとする津軽海峡のマグロがおいしいといわれる理由があります。「マグロはイカを食べると赤身のうまみが増し、青魚を食べるとトロの脂がのってくる。ここ津軽海峡では、そのイカとイワシ、サンマを食べたおいしいマグロが獲れるんですよ」と、「梅乃寿司 さくら通り」の金丸正善さんが教えてくれました。
この日、梅乃寿司で注文したのは「お昼膳」。握りのトップバッターで出されたのは、大間産本マグロの赤身です。戸井と同じ、はえ縄漁で獲られたものだそう。
「最初においしいマグロが出ると、インパクトがあるでしょう(笑)」と金丸さん。「深みのある赤は熟成が進んだ証拠です。ほら、赤身のさくを見ると、外側から色が変わってきている(左下の写真)。天然の本マグロは、1週間とか10日とか寝かせて熟成すると、うまみや香りが増しますから」。
美しい赤身に見とれながら口に運ぶと、しっとりと吸いつくような口当たり。口の中に、華やかな香りが広がり、思わず笑顔になりました。

◆おいしいマグロは、いい体格をしているという
「本当においしい本マグロというのは、最低でも10キロ超のもの。それ以下は中鮪(ちゅうぼう)、幼魚はメジマグロと言うんですよ。やっぱりうまみの奥深さが違うから、うちでは大きいものを仕入れています」と教えてくれたのは、「すし蔵」の岸田秀夫さん。前出、梅乃寿司の金丸さんも、「同じ20キロでも、コロッと太った20キロとやせた20キロでは、おいしさが全然違う」と言います。
すし蔵で出されたのは戸井産本マグロ、おまかせ握りで大トロ登場です。ふわっととろける口当たりは夢心地。「でも、脂がしつこくなくて、さっぱりしてるでしょ。これが戸井マグロなんです」。食べたあとも上品な脂のうまみと甘みが口から鼻にふんわり残って、しばらく余韻を楽しみました。
ほかに、マグロの頭肉と赤身の盛り合わせも賞味。頭肉は脂がのって、しっかりとしたうまみがあります。そして、赤身。「赤身は鉄。酸味ですね。わずかに、でもしっかり感じ取れる味の深みが、本マグロの魅力」と岸田さん。
なるほど、力強いうまみと香りを感じさせる戸井のマグロ。さすがの実力、もう一度食べたくなる味です。


◆戸井マグロを出す店は、仕入れと保存にこだわる
このように人気の高い戸井マグロですから、水揚げの大部分は東京、大阪、札幌など全国に送られるそう。地元・函館に出回るのは、じつは1割に満たないと言われています。
また、津軽海峡でマグロ漁が行われるのは7月から、だいたい翌年1月まで。真イカやイワシ、サンマが集まりはじめると、回遊していたマグロも集まってきて、それをえさにして脂ののったおいしいマグロになりますが、時期が過ぎると漁場は南へ移っていきます。

函館にいつも戸井マグロが流通しているわけではないとしたら、店ではどうしているのでしょう。
すし蔵では、「地元業者とのつながりで、いいマグロが揚がったときに半身から1本単位で仕入れています。小分けしては売ってもらえないからね。その時食べる分以外は、マイナス60~70℃の冷凍庫で保存しておけば、いつでもいい状態のものを提供できますよ。生がどう、冷凍がどう、ということより、いかにいいマグロを仕入れるかが勝負」。
梅乃寿司では「築地のマグロ専門店で、いいものが出たときにブロックで分けてもらいます。少し時間がかかっても熟成してくるので距離は問題ないし、ほしい部位を、間違いない品質のもので手に入れられるのがメリットですね。その都度、一部を店の冷凍庫で保存しておき、ない時期にも出せるようにしています。マイナス60℃くらいできちんと保存すれば、味はほとんど変わりません」。

津軽海峡を見渡す函館で、津軽海峡のマグロを食べる。その極上の体験は、味にこだわる料理人の確かな目と腕と知恵に支えられています。

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▲「梅乃寿司 さくら通り」の金丸正善さん/赤身の握り
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▲「すし蔵」の岸田秀夫さん/大とろの握り、頭肉と赤身の盛り合わせ

※編集室M 2011/1/24・28取材、2015/9/18更新

◆戸井マグロ(津軽海峡マグロ)をはじめとする、美味しいマグロが食べられるおもな店
津軽海峡で獲れたマグロはいつでも食べられるというわけではなく、時期や日によってはほかの産地のものになることもありますが、下に挙げたのはいずれもマグロにこだわりを持った店。その時期にいちばんおいしいマグロを提供しています。なお、

梅乃寿司 さくら通り
函館市柏木町1-19
0138-55-3133
12:00~14:00、17:00~22:00 日曜休

すし蔵
函館市本町4-21
0138-32-0138
17:00~26:00 日曜休

鮨処ひろ季
函館市本町26-17 ホテルネッツ2階
0138-55-5553
11:30~14:00、17:00~23:00 日曜休


函館 鮨処 木はら
函館市湯川町2-1-2
0138-57-8825
11:30~22:00 水曜休

幸寿司
函館市湯川町1-27-2
0138-59-5437
12:00~22:30 火曜休

レストラン ポルックス
函館市高松町511(函館空港内)
0138-57-8884
7:30~19:30頃(最終搭乗時刻に合わせて営業) 年中無休