7月 開港記念日を迎える
函館には江戸と明治がある
江戸時代、遠国奉行(おんごくぶぎょう)の中では一番北にあり、日本政府の全権を担い、ロシアとの国境線を画定するために交渉をはじめたのが箱館奉行(はこだてぶぎょう)であった。蝦夷地の最南端の町に奉行所が置かれ、現在の北海道、サハリン、千島を管轄していたと聞くとちょっとわくわくする。
江戸の当時、ロシア帝国と対等に渡り合った奉行が暮らしていたのがここ函館である。開港前から函館ではコーヒーの香りもたっていたらしい。奉行が、北方の警備にあたる兵士に、コーヒーを煎じて飲ませるための文書(もんじょ)が残っている。
米国からペリーが来て開港したあとは、商人たちが店を開き、諸外国との交易が盛んに行われた。街の生活や文化、風景をつくるのも加速しただろう。当時、奉行所があった函館山の麓で、開港の翌年となる1860年(萬延元年)に創業した和菓子の老舗「千秋庵総本家」は2010年、創業150年を迎えている。現在も毎日のお使いにくる市民が打ち水をした店の土間を埋め尽くしている。
開港した安政年間から、万延、文久、元治、慶応と明治元年までの10年間、函館には江戸時代の最後を味わった街が育っていた。今でも小さな町単位にお菓子屋さん、お餅屋さんが暖簾を守っている。明治に入り、新政府の統治が落ち着くと、北前船の財をはじめ、さらに多くの資金が函館に投じられた。居住とともに欧米、中国、日本の各文化が急速に取り入れられたので和食も、洋食も、中華料理も全部旨いのは当たり前なのだろう。すき焼き、蕎麦屋、蒲鉾屋、洋食店、中華と目移りする。
当時急速に栄えた函館山麓の街並みを歩きながら、経済と文化融合の中心地として栄えた港湾都市の足跡に触れる度に、この街に取り付かれてゆく。
大三坂(だいさんざか)を登って、途中から坂の名前がチャチャのぼりに変わるころにはいっそう勾配がきつくなり息切れがしそうだ。でも、ふと振り返ると、海に挟まれた狭い土地に美しい風景がひろがる。歴史的には対立もあった、ロシア正教、ローマカトリック、イギリス国教会の流れを汲む教会が調和して港をバックに軒を並べている。欧米人の居留地や中華街を作らず、街に溶け込んで暮らした函館らしい風景だ。
◆時代を生き抜き、受け継がれる伝統と品格
▼明治創業 古いしつらえのお座席で食事をする「すき焼 阿さ利本店」(駅前・元町地区)
▼函館に洋食文化を根付かせた老舗「五島軒本店 レストラン雪河亭」(駅前・元町地区)
▼思わず声が出てしまった一皿の味「五島軒本店 レストラン雪河亭のポタージュ」(駅前・元町地区)
▼1900年から暖簾を守り続ける餅屋「丸井栄餅」(駅前・元町地区)
▼おしながきに江戸のつまみが並ぶ「明治創業の蕎麦屋「丸南」本店」(駅前・元町地区)
▼蕎麦屋の女将が教えてくれた「ヤマサ宮原のかまぼこ」(駅前・元町地区)
▼扉の向こうに広がる不思議な光景「来々軒」(駅前・元町地区)
◆食事の後に場所を変えて一息つく
▼海と雲と向き合う「Cafe'-Bar LAMINAIRE(ラミネール)」(駅前・元町地区)
▼和と洋、明治と現代が交錯する空間「TACHIKAWA CAFE」(駅前・元町地区)
▼カフェでも喫茶店でもない“珈琲屋”「select coffee shop peacepiece」(駅前・元町地区)
◆不思議と落ち着く空間で函館らしい贅沢と出会った
▼目覚めた瞬間から函館を実感する「辺見旅館」(駅前・元町地区)
▼奥尻の家庭料理を思い出す「函館の友達を誘う宿 辺見旅館」の食事(駅前・元町地区)
▼懐かしくもモダンな空間「箱館元町の宿 饗場(きょうば)」(駅前・元町地区)
◆時間を忘れて函館を歩く
▼カトリック元町教会にため息(駅前・元町地区)
▼ハリストスの光(駅前・元町地区)
▼早朝にこの熱さがやみつきになる「函館市営谷地頭温泉」(駅前・元町地区)
▼函館で二人の坂本に出会った「北海道坂本龍馬記念館」(駅前・元町地区)
◆7月に旬を迎える野菜“野菜ソムリエがワンポイントアドバイス”
▼ニンジン(主産地 七飯町)
▼長ネギ(主産地 北斗市)
▼メロン(主産地 森町)
◆今が旬
▼待ち焦がれた季節の到来(活いか特集)
▼海の見える競馬場 函館競馬開催中
▼函館に新しい魅力が誕生する 7月29日函館奉行所オープン(函館市教育委員会)
◆7月の主なイベント等
▼市民創作函館野外劇(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会ホームページ)
▼海の日記念 函館港花火大会
▼函館高田屋嘉兵衛まつり
▼大沼湖水まつり
▼縄文の至宝-世界遺産をめざす15遺跡と土偶-(市立函館博物館ホームページ)
(2010年7月作成)
