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箱館ハイカラ號はこだてハイカラごう 函館市電(函館市企業局交通部)が毎年4月から10月末にかけて運転する「復元チンチン電車」。ササラ電車から旅客車へ復元。レトロな外観や内装を含め、人気が高い。 |
1993年8月から運行されている「箱館ハイカラ號」は、毎年4月初旬から10月末まで運行される函館市電の復元チンチン電車です。市電の車両の中でも、西部地区の景観にマッチするレトロな外観は、市民や観光客の方にも人気。坂や古い街並みを背景に走る姿はとても絵になり、写真の被写体としても注目されています。 箱館ハイカラ號は他の電車とは異なり、専用のレトロ調制服を着用した運転士と車掌が乗務する「ツーマン運転」で運行されています。発車の際に「チンチン」と鐘が連打されますが、これは車掌から運転士へ「出発してOK」という合図。この音が、路面電車の通称「チンチン電車」の語源のひとつと言われています。 乗車料金は一般の市電と同じで、乗車区間に応じて車掌に支払います。「市電・函館バス共通1日・2日乗車券」「市電1日乗車券」でも乗車できますが、現金で運賃を払うと、専用デザインの「箱館ハイカラ號専用乗車券」の半券を乗車記念として持ち帰ることができます。 箱館ハイカラ號の正式名称は「39号」。1910(明治43)年に千葉県成田市の「成宗電気軌道」という会社が購入した車両を、1918(大正7)年に「函館水電」が購入し、旅客車として運行。その後、1937(昭和12)年に除雪用の「ササラ電車」排2号へと改造され、半世紀にわたって活躍。1992年の函館市市制施行70周年記念事業の一環として、旅客車時代の図面を基にして現在のように復元されました。 車体は往時の木製ではなく鋼製となりましたが、台車はササラ電車時代から使用されているものを再使用しているほか、車体側面には不燃処理された木目の美しいナラ材が張りつけられ、内装にも木が使われるなど、オープンデッキの運転台とも相まって、明治時代の路面電車の姿が再現されています。 関連記事
※記者X 2012/5/14公開 2021/10 更新 |
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