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べんけいちからもち さんこうどう
JR函館駅近くにある明治40年創業の老舗の餅屋。細巻きやいなり寿司も人気。厳選した素材の持つ自然な味を引き出した菓子やご飯ものは、市民に長く愛され続けている。
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JR函館駅近くに店を構える、明治40年から続く老舗の餅屋さん。店先の小さな赤い鳥居や、弁慶の絵が描かれた力強さを感じさせる看板、店脇の大きな岩がひときわ目を引く存在です。
戦後から餅菓子中心の製造販売になったといい、大福(216円)やべこもち(173円)、くるみ餅(173円)を買うお客さんが多いそうです。ゴロっと存在感のある豆の風味を堪能できる豆大福(216円)も人気。ベこ餅は黒糖と草の2種類で、昔ながらのベこ餅のしっかりとした噛みごたえ。取材中にも、函館にゆかりのある旅行客のご夫婦が、「ベこ餅が食べたくてやってきました」と訪れていました。くるみ餅は、香ばしいくるみとしょうゆ味の餅、あんこのハーモニーが絶妙です。
餅以外で人気が高いのが、細巻き(6本 648円)といなり寿司(6本 648円)。函館市郊外・桔梗町の豆腐店から仕入れている、肉厚で豆腐の風味が生きた油揚げに甘じょっぱいたれがたっぷりとしみ込み、ジューシーという言葉がぴったりです。黒糖と卵の2種類の蒸しパン(173円)も、ふわりと漂う優しい香りと控えめな甘さが幅広い世代に人気です。
「美味しいものを作るには、素材の厳選に尽きる」と4代目のご主人。値段が高くてもこれぞと思った素材を使い、保存料などを使わずに自然の味を十二分に引き出しています。餅類は岩手・盛岡産のもち米、細巻きといなり寿司は新潟産のこしひかりを使っています。
店内には椅子があり、「お茶は出せないけれど、ぜひここでも食べていって」とご主人。お父様が弁慶が大好きだったことから名づけられたという「弁慶力餅」の店名。「この辺も昭和初期の頃は袖が触れ合うほど人の流れが多かったんだ」と語る、函館駅周辺の変遷を肌で感じてきたご主人が、小さな鳥居の向こうで温かく出迎えてくれます。
※記者C 2014/10/31取材、11/6公開 2021/3 更新
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