函館を旅しながら、気持ちのいい空気のなか、街を走ったりウォーキングしたり。観光スポットを訪ねるだけではない、とっておきの時間が過ごせます。
函館には魅力的なランニングコースがいくつもありますが、今回ご紹介するのは、五稜郭公園の堀の外側を一周する約1.8kmのコース。静かに水をたたえたお堀、ぐるりと取り囲む並木、ランドマークの五稜郭タワーなどを眺めながら足を運べば、気分は爽快! すれ違い、追い越す人と交わすあいさつにも、思わず笑顔がこぼれます。
五稜郭タワーをスタートして公園を一周するコースを、ランニング初心者のはこぶら記者が走ってみました。
◆スタートは五稜郭タワーから。荷物も預けられます
五稜郭公園へは、市電の「五稜郭公園前」電停から歩いて約15分。函館バスなら「五稜郭公園入り口」バス停から約7分。
電停近くのホテルからも徒歩圏内にあり、ウォーミングアップもかねて、ゆっくり歩いて向かいましょう。
遠くからでもよくわかる、高さ107mの
五稜郭タワーのすぐ先に、正面入口があります(アクセス情報は
こちら)。
「タワーのエントランスホールにはコインロッカーもあるから、荷物を預けるにも便利ですね」。
◆右手に木立、左手に堀を見ながらの、フラットな周回コース
五稜郭公園は、幕末に築造された洋風城郭・五稜郭の跡が、1914(大正3)年から一般市民に開放されたもの。五稜郭跡は、国の特別史跡の指定を受け、最近では「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に二つ星として掲載されています。
堀の外周は1815mの整備された道になっていて、ランニングやウォーキングを楽しむ人の姿がいつも見られます。春は桜、夏は木立の緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季それぞれの美しい風景も見もの。ほどよく圧雪された道は、冬でも変わらず人気です。
内側はお堀、外側は木立と、環境は申し分なし。「途中に距離の表示もあって、初心者でも安心ですね。ベンチや木陰もあり、トイレも心配ありません」。それでは、一周の道のりを順にたどっていきましょう。
●走りはじめは五稜郭タワーを背に、桜並木の道
正面広場から右に、堀に沿って桜並木の下を走りはじめます。
左手には外堀と内堀をつなぐ一の橋、二の橋。五稜郭の星型の角にあたる石垣が、クールに見えます。
●つづいてアカマツ林の連続
少し進むと、外側はアカマツの林に一変。「歴史的な場所らしい、落ち着いた雰囲気が感じられますね」。
掘の向こうの桜越しに、遠ざかった五稜郭タワーが見えます。
●そろそろ半分
タワーははるか遠くになり、そろそろ正面広場の反対側までやってきました。
「歩く人、走る人、犬の散歩の人が常にいて、心強いかぎりです」。堀の睡蓮は、夏に花を咲かせます。
●裏門橋で、あと3分の1
後半は、再び桜並木。通路に枝が大きく張り出して、トンネルのようです。
左手に裏門橋。箱館奉行所への近道でもあります。さあ、あと3分の1。
●図書館をすぎると、ガラス張りのカフェも
ガラス張りの店内からは公園の自然が間近に感じられ、お茶を飲んでひとやすみするのにおすすめです。
一の橋が見えてきたら、1周完走!
◆気分を変えて、土手の上の道を走ることもできます
「ちょっと走りたりないな」「気分を変えてもう少し走りたい」という人には、堀の内側の土手もおすすめです。正面広場から一の橋、二の橋を渡って郭内へ入り、左手の土手の上に上ってみましょう。「堀の内側から、五稜郭タワーや、今走ってきたコースを見渡すのは気持ちいい!」。
土手の上は、下の舗装された道と違って、自然の土の道。眼下には堀と桜、内側にも桜がずっと植えられていて、季節ごとの自然に触れられます。
途中、3カ所ほど土手が切れているところがあり、階段状になった通路を上がり下がりする必要はありますが、こちらもぐるりと一周することが可能。ちょっとトレイルランのような気分が味わえる、1.5kmほどの道になります。
気持ちよく汗を流したら、五稜郭タワーに戻ってアトリウムでゆっくり。
「青空、五稜郭タワー、木々の緑、水辺の鳥たちなど、景色を楽しみながら走れました。
星型のジョギングコースなんて、全国でも稀だと思います。函館を訪れる際には、ぜひ心地よい汗を流してみてください!」。
※編集室M(体験/編集室N) 2012/10/18取材、10/25公開
●今回走ったコース【堀の外側一周約1.8km、ゆっくりペースで約15分】※地図をクリックすると拡大します
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