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函館特産の海鮮珍味、いかの塩辛大特集
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夏から秋にかけて津軽海峡に浮かぶ、いか釣り船の幻想的な漁火(いさりび)。いかは函館が誇る海産物で、函館市の魚にもなっています。

そのいかを使った珍味が塩辛。ご飯のおともや酒のつまみとして、瓶詰などでおなじみですが、「いかの街」函館では、塩辛だってすごいんです! こんなに種類があるの? えっ!こんな食べ方も?? みんな、意外な味を楽しんでいます。

そもそも塩辛とは? どのようにして生まれたの? 料理への意外な応用法は? いかの塩辛の魅力を発掘しましょう!


◆「手造りいか工房」で、いかの塩辛造りを体験

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函館ではガラス工芸やオルゴール作りなどの体験観光が人気ですが、最近、いかの塩辛造りを体験できる「函館手造りいか工房ベイ」がオープンしました。いか塩辛製造体験コース(1500円)。

いかの身とゴロ(内臓)のほかには、塩、砂糖、みりんといった、どの家にもある調味料だけでできる、いかの塩辛。切って混ぜておいておくと、いかが発酵して旨みが増し、保存性が高まるのです。

いか造りを教えてくれる大西さんは、早朝に獲れたいかをリヤカーで売りに来る、「いか売り」のいかを幼いころから食べてきた函館っ子。胴体部分の刺し身を朝から食べ、残った足や耳(エンペラ)は長期保存可能な塩辛にされる様子を見てきたといいます。塩辛は、いかを無駄なく食べるための知恵から生まれているのですね。

塩辛作りの手順は簡単
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【1】材料は、開いたいか、ゴロとみりん、塩、砂糖 【2】いかを適当な大きさに切る(胴体と耳は縦に細長く、足は食べやすく)
【3】ボールに入れ、塩を加えてよく混ぜる(塩を先に加えると、味がしみ込みやすくなる)

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【4】砂糖、ゴロ、みりんを加えてよく混ぜ、ふたのできる容器に入れる。冷蔵庫に入れる 
【5】1日1回、空気を含ませるように大きくかき混ぜ、発酵を促す 【6】3~4日で熟成が進み、塩辛のでき上がり(右)


◆塩辛だけで9種類! 試食できる「中島廉売」の塩辛売り場

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工房で体験した塩辛作りは、もっともベーシックな味のもの。これに調味料を変えたり具をプラスすると、多種多様な塩辛が生まれます。函館には、多種多様の塩辛が売られていて、みんな「お気に入り」があるといいます。

手頃な旬の魚介や野菜が並ぶ市場「中島廉売」。その中の「魚通り」にある「紺地鮮魚店」では、バラエティにとんだ塩辛を市内の加工業者から仕入れて、量り売りしています。

一般的な塩味の田舎漬けは、やはり売れ筋。皮をむいたいかで作り、きれいな色合いのゴロジャンも人気です。さわやかな辛味が続く青唐辛子入りの青南蛮や、焼きねぎの入った焼きねぎ味噌などの多様な味に、訪れたお客さんは驚きます。試食可能なので、説明を聞いて試食したうえで購入する人が多いそうです。

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(左)店頭には様々な塩辛 (中)見かけも味もマイルドなゴロジャン(100g200円) (右)甘辛の焼きねぎ味噌(100g200円)


◆こんなにいろんな味があります。おみやげ屋さんで買える「函館塩辛カタログ」
(価格は税込の参考小売価格。写真をクリックすると拡大されます)

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(左)社長のいか塩辛布目150g324円) 塩、砂糖、みりんで仕上げたオーソドックスな塩辛。まろやかなゴロの風味
(中)みそ味いか塩辛かくまん170g378円) みそを加えて、くせのないやさしい味わいに。塩辛初心者にもおすすめ
(右)沖漬塩辛竹田食品180g457円) いかをゴロごとしょうゆに漬ける「沖漬け」風、しょうゆ仕込み。ご飯が進む味わい

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(左)いかジャン辛兼八水産) ゴロを多めに使い、唐辛子、豆板醤仕込み。現在は瓶入り(120g397円)のみ、直販店で販売
(中)いかすみ塩辛味の匠200g860円) いかすみをたっぷり使った真っ黒な塩辛。意外にマイルドな味で、コクがある
(右)いかの塩辛(カネサク大出商店260g756円) 昔ながらの塩けのきいた、ゴロの風味豊かな塩辛。塩辛通におすすめ

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(左)そうめん塩辛道水180g300円) いかの耳のみを使って、そうめんのように細切りにした塩辛。コリコリとした食感
(中)するめの塩辛(カネサク大出博三商店150g400円) 干してするめにしたいかを使って旨みアップ。生ものが苦手な人にも
(右)特製いか塩辛 木樽仕込小田島水産食品180g540円) 昔ながらの杉の木樽で熟成させた、深みある味わい


◆いかの塩辛を料理に使っちゃおう! 函館っ子のおすすめアレンジ

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いかの塩辛は、白いご飯やお酒のおともにぴったり。でも、函館で塩辛の食べ方といったら、それだけではありません。もっとも人気があるのは、ふかしたじゃがいもと一緒に食べる「塩辛じゃがいも」。ほくほくのじゃがいもに塩辛が本当によく合います。ここにバターを加えた「塩辛じゃがバター」も、いかにも北海道らしい味わいです。

ゴロによって身を発酵させて作る塩辛は、保存食としての性格から、一般的に身の分量に対して5~10%ほどの食塩が加えられています。そのまま食べるほかに、ソースやトッピングとして利用することで、食卓のパートナーとしてより身近な存在になりそうですね。

「函館手作りいか工房ベイ」の大西さんによると、「同じ発酵食品のアンチョビのように考えると、イタリアンのピザやパスタにも意外によく合いますよ」。加熱すると、独特のくせが消えて、 料理に旨みがプラスされます。自由な発想で使ってみてください。

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(左)塩辛ピザ 生地にバジルソースを塗り、玉ねぎ、ピーマン、塩辛をのせ、とろけるチーズをトッピングしてオーブンで焼きます。塩辛は控えめでも、十分大人の風味。バジルソースの代わりにケチャップでもいけます。
(中)塩辛チャーハン 熱したフライパンに溶き卵を入れてご飯をほぐすように炒め、塩辛とねぎの小口切りを加えてさっと炒めると、コクのあるチャーハンの出来上がり。味をみてから塩、こしょうで調整しましょう。
(右)塩辛とクリームチーズのパスタ 薄切りにした玉ねぎ、ジャガイモ、塩辛、クリームチーズ、牛乳を順に加えて炒め、ゆでたスパゲッティとあえると、濃厚な味わいに。塩、コショウで味を整え、トッピングはあさつき。クリームチーズと塩辛は酒のつまみにも。

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(左)塩辛茶漬け ご飯に塩辛、梅干し、刻みねぎをのせて熱いお湯を注ぐだけ。半生の塩辛が絶妙なおいしさ!
(中)塩辛おろし鍋 鍋に大根おろしを入れて温め、焼き魚(かれいなど)と塩辛を加えてさっと煮ます。塩辛が調味料がわり。
(右)塩辛ねぎ納豆 納豆をよくかき混ぜて、たっぷりのねぎと塩辛をプラス。発酵食品同士が相性抜群です。

塩辛の販売場所は、JR函館駅や函館空港の売店のほか、函館朝市はこだて海鮮市場本店函館西波止場など。
本文中の価格はすべて税込です。

※記者C、編集室M 2014/5/13取材、6/3公開 取材協力/函館手造りいか工房ベイ、紺地鮮魚店、小西食品