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トラピスチヌ修道院のクリスマス・ご降誕のミサ

  • あなたのテーマでディープな函館
  • 異国情緒、教会・修道院
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天使の聖母トラピスチヌ修道院は、函館市郊外の上湯川町にある、日本初の女子観想修道院。市街地をはさんで函館山と対面する高台に位置し、閑静な環境に建つレンガ造りの端正な姿は、訪れる人を優しく迎えてくれます。

通常の見学は前庭までで、内部に入ることはできませんが、例年クリスマスの「ご降誕のミサ」には、一般公募された市民や観光客も参加できます。

2010年は深夜0時からの「夜半のミサ」に約20人(2017年現在は20時からの夜のミサ)、朝9時30分からの「朝のミサ」に約30人がまねかれて、聖堂で行われたイエス・キリストの誕生を祝う祭式に臨席しました。雪が深々と降るクリスマスの深夜に行われた「夜半のミサ」、その荘厳な儀式の模様をお伝えします。

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ミサの行われる聖堂は、客舎のある建物から続く、長い長い、そして真っ白な通路の先にあります。

「夜半のミサ」は、静かな鐘の音から始まりました。聖堂の天井から下がる2本のロープを2人の修道女がリズミカルに引き下ろし、鐘を鳴らします。司祭による祈りの言葉、修道女によるグレゴリオ聖歌、聖書の朗読、黙想など、厳かな雰囲気で進行。張り詰めた空気はありますが、想像していたよりずっと柔らかな包み込むような温かさが感じられました。

とくに、パイプオルガンの響きと、ユニゾンの柔らかな歌声による聖歌を聴いていると、心の中の雑念が消えて、言葉にならないような穏やかな気持ちになります。


101228reportT03.jpg祭壇にはろうそくが灯され、フランシス司祭がミサを導いていきます。祈りの言葉はひとつひとつかみしめるように語られ、「祈りましょう」という呼びかけにも温かい響きが。聖堂内の照明も思ったより明るく、皆でいっしょにキリストの誕生を祝福しようという優しい空気に満ちていました。

ミサの中ほど、祭壇ではパンとぶどう酒が祭壇に捧げられました。美しい金属製のカリス(聖杯)とパテナ(聖体皿)を前に、パンをキリストの体に、ぶどう酒をキリストの血にする祈りの言葉が唱えられます。
101228reportT04.jpg続いて、パンとぶどう酒が分け与えられる「拝領の儀式」が行われました。純白の服をまとった修道女の姿は清らかで美しく、まぶしくさえ見えます。

一般参加者は、祭壇の脇に置かれた椅子に腰をかけ、祭式を見守りました。すぐ目の前で執り行われる厳かなミサを、体全体で感じることができるのは、とても貴重な体験です。パンとぶどう酒がいきわたった後、司祭から私たちにも、「信徒のかたがいらっしゃったら、どうぞ」と声をかけられました。

最後は「神に感謝」という言葉とともに、約1時間のミサが終了。
また長い長い通路を歩いて、聖堂を後にしました。

2010/12/28公開

101228reportT05.jpg厳律シトー会 天使の聖母トラピスチヌ修道院

ここで共同生活をする修道女は約60名。祈り、製菓・牧畜・農耕・工芸品の製作などの労働、読書を日課としながら、敬虔な修道生活を送っています。左は司祭館、尖塔の下が聖堂で、その奥が修道女の生活の場。

※「クリスマス・ご降誕のミサ」への参加は、例年当サイトや新聞などで告知があり、電話申し込みによって受け付けられます。
問い合わせ:トラピスチヌ修道院0138-57-2839 (出られない場合)トラピスチヌ修道院売店0138-57-3331


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