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足をのばして欲張り旅 「青森エリア」

路地裏探偵団とバル街、弘前で街歩き(後編)

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函館を含む周遊旅行を検討中の皆様に、ぜひお勧めしたい青森県弘前市。
はこぶら記者による、函館から弘前への1泊2日家族旅行のレポート【後編】です。

家族での街歩きのあとは、「弘前路地裏探偵団」の街歩きツアー「夕暮れ路地裏散歩」に参加しました。弘前路地裏探偵団とは、市民有志による街歩きガイド集団。弘前ならではの生活文化やそのルーツを調査し、そこで得た知識や情報を楽しみながら伝える、ラビリンス(迷宮)ガイドとしての探偵の集まりだそうです。

夕暮れ路地裏散歩ツアーは4月下旬~10月下旬の金曜日に開催されており、予約不要で参加できます。金曜日以外や、昼間のツアーについては、事前予約で開催。詳しくは、ひろさき街歩きHPでご確認ください。

今回、私たちを案内してくれたのは「しおりん」と「だいきゃん」。彼らは弘前の街を愛する、弘前大学の学生さんなのだそうです。笑顔の2人にエスコートされて、さあ、出発!


◆レトロモダンな土手町商店街 

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最初に案内されたのは、土手町商店街。私たちが家族でさっき通った道......前編でご紹介した一戸時計店が見えます。

「この道、空が広く感じませんか?」 そう言われれば確かに、そう。なぜだろう? 「雪対策のために、電線が地中化されているんですよ。毎年8月に行われる「弘前ねぷた」で、巨大な山車をスムーズに通すためでもあるんです」。へえ~! さっきは気がつきませんでした。

「また、この通りは、手前から『上土手』『中土手』『下土手』という3つの商店街が連なっていて、それぞれにタイルの色や、看板などに工夫が凝らされているんですよ」と、だいきゃん。自分たちだけで歩いた時にはわからなかった街の薀蓄(うんちく)の数々を教えてもらい、さっそく、路地裏探偵とともに歩く醍醐味を実感です。

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続いて、写真右手に見えているのは、中三(なかさん)デパート。だいきゃんから、また質問が出されました。「この建物は、何をイメージして作られたでしょう」。宇宙船? 楽器??......正解は、「縄文式土器!」。実は、青森から北海道にかけての地域は、数多くの縄文時代の遺構が見つかっているのです。なるほど、空に向かって広がる形は、縄文式土器の姿そのものです。


◆自分一人では絶対入らない、路地にどんどん入ります

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だいきゃん&しおりんに誘われ、私たちは怪しげな場所へと進みます。

写真1は、「ゴールデン街裏通り」。昭和レトロな飲み屋さんが並んでいて、タイムスリップした気分になります。ドラマのロケ地として頻繁に使われるという説明に深く納得。弘前の街の特徴は、あちこちで通り抜けができること。建物の表と裏の両方に出入り口があったり、間の狭い通路を抜けられたり(写真2)、迷路のような街!探偵と一緒でなかったら、きっと迷ってしまったことでしょう。

写真3は、弘前中央食品市場。トンネルのような長い市場で、鮮魚店、惣菜店、八百屋などが9店舗あります。香ばしい匂いに惹かれた先にあったのは、「いがめんち(写真4)」。イカゲソを包丁でたたき、野菜や小麦粉と混ぜてカラリと揚げた、弘前のB級グルメです。イカの風味と、野菜の甘さが美味しい! 各家庭で混ぜ方や調理法(揚げる、焼く)が異なる、「母の味」だそうです。

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市場を出て少し先には、お洒落なファサード(正面外観)が(写真1)。このお店「HOME WORKSは、弘前女子から絶大に支持されている雑貨店です。至近距離に3店を展開し、それぞれに、異なるテーマの雑貨を取り扱っているのだそう。この店が並ぶ小路は、HOMEWORKS通りと呼ばれています。

弘前は、カフェの街でもあります。そのほとんどは個人経営の店で、デザイン、音楽、メニューには各オーナーが工夫を凝らしているため、きっとあなたのお気に入りが見つかるでしょう。写真2の「名曲&喫茶ひまわり」は、昭和34年創業の老舗店。

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写真1のレトロな駅は、弘南鉄道の「中央弘前駅」。ここから大鰐(おおわに)町までをつなぐ「大鰐線(写真2)」と、弘前駅から黒石市を結ぶ「弘南線」の2路線があるそうです。改札横のラーメン店には「弘前産りんごラーメン」の張り紙が! りんごが練り込まれた麺を使用し、りんごスライスが入った、あっさり魚介系ラーメンだそうです。あいにくこの日は定休日だったので、次回、弘前に来たら必ず食べてみたいです。

大鰐線の沿線には高校や大学があり、学生さんの利用者が多いのだそう。この電車の吊革のひとつはハート型になっていて、「カップルで一緒にハートの吊革を握ると、幸せになるとかならないとか......」「えっ、それ、どっちかが大事でしょ(笑」。参加者みんなで、いろんな話に盛り上がりつつ、1時間半の夕暮れ路地裏散歩ツアーはあっというまにゴールです。

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ゴール地点で、ガイドのだいきゃんが、参加賞のバンダナをプレゼントしてくれました。
さっそく身につけて、記念写真をパチリ。2人のガイドのおかげで、自分達だけで歩くのではわからなかった弘前の魅力をたくさん知ることができて、感心しきりの1時間半でした。弘前にいらっしゃる皆様にはぜひ、このツアーをお勧めしたいです!

詳しくは、ひろさき街歩きHPをご覧ください。


◆弘前バル街(ひろバル)に参加

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さて、運のいいことに、この日は年に2回の弘前バル街の日!

「バル街」は函館発祥。5枚綴りのチケット(ガイドマップつき)を3500円で購入し、マップ片手に市内の様々な店を食べ、飲み歩き、はしごするイベント。各店は、趣向を凝らしたピンチョス(小料理)でもてなしてくれます。今回の「ひろバル」には、81店が参加していました。

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夕方18時、かくみ小路はバル街参加者で賑わいます(写真1)。昭和チックな老舗店と、新しいバーなどがひしめきあって、雰囲気のいい通りです。どこの店に行こうか、みんな和気あいあいと話し合っています。

「津軽弘前屋台村かだれ横丁」内(写真2)。串焼き店、創作料理店、洋食屋、インド&ネパール料理店など、バラエティに富んだ12の店が並ぶ屋台村です。ここで食べた串焼きが美味しくて、現金プラスでもう1本!

写真3は、弘前バルの立役者、山崎 隆シェフの店「レストラン山崎」のピンチョス(古きよき時代の洋食「Aランチ」)。飲み物は赤ワインをセレクトしました。ハワイアンバンドの生演奏を聴きながら、優雅に。

写真4は、最後に行ったスペイン料理店のピンチョスと、サングリア。昼からずっと歩き通しだったので、お腹がいっぱいになると同時に睡魔が......。賑やかな街に名残惜しさを感じつつ、私たちはホテルへと戻りました。


◆翌日は、弘前りんご公園へ

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弘前の旅のしめくくりに、JR弘前駅前から、100円バスで40分。「弘前市りんご公園」にやってきました。

この写真は、公園内の「すり鉢山(標高83メートル)」からの眺め。山というより丘ですが、さえぎるものがないため、公園の全景と、近隣のりんご農園約1500ヘクタール、白神山地、岩木山(左上)、八甲田連邦を一望することができます。公園内には、りんごについて学べる「りんごの家」という施設や、りんごもぎとり収穫体験コーナーがあります。

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写真1は、りんごの家の土産品コーナー。品揃えがよくて、どれを買うか目移りします。りんご酢の試飲や、りんごの全国発送受付ももありました。りんごソフトクリームは、甘い香りがたまりません(写真2)。

写真3は、りんご公園に隣接する共同醸造工場で作られた「kimori シードル(375ミリリットル896円)。人工の炭酸を充てんせず、タンクを密閉して二次発酵させることにより、発酵時に発生する炭酸をそのまま果汁に溶け込ませる自然な製法をとっています。1杯300円で試飲可。

弘前シードル工房kimori 代表の高橋さん(写真4)。「きもり(木守り)」とは、りんご生産者が古くから行ってきた風習のことで、収穫が終わったりんごの木に、ひとつだけ、果実を残すことだそうです。この果実は、今年の実りへの感謝とともに、来年の豊作を願い、畑の神様に捧げるために残したものです。 

高橋さんからは、幾多の苦労を乗り越えてきた弘前の生産者の話も聞きました。「先人たちが守り、築き上げてきたものを、私たちは将来へとつなぎたい」。高橋さんの語り口は穏やかでしたが、うちに秘めた情熱がありました。これから私はりんごを手に取る時、自然や生産者の方たちに思いを馳せ、いっそうりんごを美味しく感じることでしょう。


以上、1泊2日の弘前旅レポート......いかがでしたか。
多くの弘前市民の皆さんとお話しできたことが、今回の旅で一番嬉しかったことです。
観光案内所のかたや、路地裏探偵、お店の方々、みなさん街や仕事を愛していらっしゃる方ばかりで、素敵なオーラから元気をもらいました。

東北・北海道をゆっくり旅するなら、ぜひ函館~弘前の「津軽海峡二都」めぐりをどうぞ!

※編集室A   2014/7/5・6取材、8/4公開


◆函館から弘前へ~青函トンネルを通って約3時間
◆「ホタテ貝柱入りウニ丼」に舌鼓
◆街歩きの情報収集は「まちなか情報センターで」 
◆和洋折衷建築、ねぷた、弘前城・・・見どころ満載の街歩き