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足をのばして欲張り旅 「青森エリア」

お城と桜とりんごの街、弘前で街歩き(前編)

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函館を含む周遊旅行を検討中の皆様に、ぜひお勧めしたい青森県弘前市。津軽富士と称される「岩木山」の東に位置し、りんごの生産量は日本一、桜の名所として知られる城下町です。弘前では、函館と同様に、明治・大正時代に建てられた洋館を巡る街歩きを楽しむことができます。

はこぶら記者が、函館から弘前への1泊2日家族旅行をレポートします♪


◆函館から弘前へは、青函トンネルを通ってJRで約3時間

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今回私たち家族は、函館から弘前まで、JRを使って移動しました。

朝8時すぎ、函館駅発「特急スーパー白鳥」に乗車。2時間弱で青森駅に到着し、奥羽本線に乗り換え。青森駅から弘前駅までは約30分。乗換時間を含めて約3時間の旅です(運賃は特急料金を含めて片道5620円)。

車中のお楽しみは、青函トンネルを通過すること! 青函トンネルは津軽海峡の海底を穿って設けられたトンネルで、海底トンネルとしては世界一の長さ(全長53.85キロ)を誇ります(写真は座席前に貼られているトンネル通過時刻表)。

トンネルに入ると窓の外は真っ暗になりますが、車内の電光掲示板に、「青函トンネルに入りました」「最深部です」といった表示が次々と(最深部は海底からさらに地下100メートル)。「ボクたち今、地球の中にいるの!?」、初の青函トンネル体験に息子は大喜びです。



◆弘前に到着!可愛いバスやパブリックアートがお出迎え

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11時をまわったところで、さあ、弘前駅に到着!

駅前に降り立った私たちの目の前に現れたのは、可愛いりんご柄のバス。少し歩くと、りんごのパブリックアートがありました。そう、弘前市は、りんごの街。りんご生育に適した春夏秋冬の温度変化と、明治から培われた栽培技術によって、甘く歯触りのいいりんごができるのです。

「青森りんごの始祖」と称される菊地楯衛氏(弘前市出身、1846-1918)は、函館のお隣、七飯町にあった開拓使農場で、りんごの接ぎ木法を習得したのだそうです。勧農政策に積極的であった明治新政府は苗木を配布し、弘前の人々が代々、研究と努力を重ねた結果、現在では全国生産量の約2割が弘前市で栽培されています。


◆昼食は、「ホタテ貝柱入りウニ丼」。濃厚な味わいに舌鼓。

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街歩きの前に腹ごしらえ!ということで、立ち寄ったのは「日本料理プリンス さくら亭」(弘前駅前から徒歩5分、弘前プリンスホテル前)。この日は、7月のランチメニューから「ホタテ貝柱入りウニ丼」を選びました。北海道で「ウニ丼」といえば生のウニですが、青森では蒸しウニの卵とじがポピュラーなのだそう(「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されました)。

ウニの濃厚な風味に、卵がふんわりと絡まり、ホタテ貝柱がアクセントに......美味しい! あっというまにたいらげてしまいました。小鉢、赤だし、茶碗蒸し、香の物、コーヒー、リンゴシャーベット&煮リンゴ入りゼリーがついて1080円。大満足です。


◆まちなか情報センターで、街歩きのための情報収集

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街歩きを始めるにあたって、まず私たちが向かったのは「まちなか情報センター」

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ここには、観光案内所(写真1)と、観光パンフレットコーナー(写真2)、物産販売(写真3)、喫茶SAKURA with Café Cercle(写真4)、インターネットブース(無料。1時間程度、印刷・データ持ち出しは不可)などがあります。ガラス張りの明るい雰囲気で、入口近くのスタジオではコミュニティラジオの公開録音が行われていました。私たちはMAPを入手し、観光案内所のかたに教えてもらいながら、街歩きの計画を立てました。

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まちなか情報センターを含む市内5か所では、観光用自転車の貸し出しが行われています。普通自転車500円、電動自転車1000円。平成26年度は5~11月末まで。→詳細はこちら

また、主な観光スポットを循環する100円バスもあります。→詳細はこちら

私たちは今回全て徒歩で巡ったのですが、意外に距離があって、行きたかった場所をひとつあきらめました。自転車を借りれば、もっとスムーズにまわることができたでしょう。


◆さあ、街歩きをスタート!

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まず、まちなか情報センターから5分ほど歩いて、吉野町緑地公園へ。ここには、弘前出身のアーティスト 奈良美智(なら よしとも)さんのポップアート「A to Z メモリアルドック」があります。

後ろに見える赤レンガの建物は、日本で初めてシードル(りんごのお酒)を醸造した吉井酒造の赤レンガ倉庫です。赤と白の美しいコントラスト、ワンちゃんの伸びやかなスタイルを眺めていたら、晴れ晴れとした気持ちに! 夜はライトアップされるそうです。昼とはまた違った素敵な雰囲気でしょうね。


◆弘前の洋風建築

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商店街には、レトロな建物がありました。この時計台の建物は、「一戸時計店」。1899(明治32)年に建造され、今も現役で時を刻んでいるそう。赤い屋根と風見鶏は洋風、建物自体は和風で、函館と通じる「和洋折衷建築」です。

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この堂々としたたたずまいの和洋折衷建築は、青森銀行記念館です(国指定重要文化財。入館料は大人200円、小・中学生100円)。国立銀行(旧第五十九銀行)の本店として1904(明治37)年に完成しました。設計施工を担った堀井佐吉は、函館で洋風の技法を習得し、弘前で数多くの洋風建築を手がけました。

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記念館の2階、大会議室の天井には、伝統工芸品「金唐革紙(きんからかわし)」が用いられています。和紙に金箔をはり、版木に当てて凹凸文様を打ち出した後、彩色。全てを手作りで製作する高級壁紙で、現在、この金唐革紙を見ることができる建物は国内に数カ所しかありません。

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商店街から少し入った場所に、カトリック弘前教会がありました。明治末期に建てられたロマネスク様式の木造建築です。内部のステンドグラスも美しく、岩木山や五重塔など、弘前の名所が描かれています(館内見学可。無料)。

弘前で本格的なキリスト教布教を始めたのは1878(明治11)年)、函館から弘前にやってきたペテェ神父だそうです。弘前と函館は、建築や宗教、農業など、様々な面で古くから交流をしているのですね。

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商店街に戻り、ふと下を見ると、歩道に並ぶ可愛らしい足型。街路整備の際に市内から公募した、130人の子どもの足型タイルアートだそうです。ご本人や家族にとって一生の思い出になりますね。弘前が市民参加の街づくりを推進していること、とても素敵だと感じました。


◆弘前市立観光館で、「ねぷた」の勇壮な姿に圧倒!

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続いて、弘前市立観光館へ。1階に弘前ねぷたの山車が常設展示されています(国重要無形民俗文化財)。弘前ねぷたは、三国志や水滸伝などの武者絵を題材にしているそうです。馬に乗った武者の勇壮な姿と、鮮やかな色彩......その華やかさに圧倒されました。

館内には観光案内所、物産販売店のほか、郷土料理レストラン、「津軽塗」制作工程の紹介コーナーがあります(年中無休、無料)。


◆いよいよ街歩きのクライマックス、弘前城へ

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さあ、弘前街歩きのクライマックス、弘前城にやってきました。

弘前城は日本城郭協会選定による「日本100名城」のひとつです。三重の濠と土塁に囲まれた約50万平方メートルの敷地に、江戸時代に建造された天守や櫓、門などが現存しています。この城は、津軽統一を成し遂げた戦国武将・津軽為信の命により、弘前藩の中心となる城として築城されました。1611年(江戸時代初期)完成。

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築城当時の天守は落雷によって焼失しました。現在の天守は、1810年(江戸時代後期)に再建されたもの。東北地方で唯一の、江戸時代から現存する天守です。

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天守の中は、現在、「弘前城史料館」となっています。小さな史料館ですが、津軽藩政時代の貴重な歴史資料が展示されています。

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一番上にあたる3階からは、岩木山や、弘前の街並みを眺めることができました。また、本丸全体の復元模型が置かれていました。ここが約260年間、津軽藩主の居城であり、藩政の中心であったところでした。


◆りんごジュースで一息。

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さて、よく歩いたので休憩!

りんごジュースを飲もうとしたら......さすが弘前、りんごジュースにも「すっぱい」「あまい」など、いろんな種類があるのですね。私は「すっぱい」を選びました。甘い香りとともに、口に広がる爽やかな酸味。本場のりんごジュースは、濃いです。


◆現存する最古の「ソメイヨシノ」

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弘前といえば、全国的に有名な桜の名所。これは、現存する日本最古のソメイヨシノです。1882(明治15)年に、「青森リンゴの始祖」菊地楯衛氏が寄贈しました。ソメイヨシノの寿命は一般に60年から80年とされていますが、この木は既に樹齢130年を超えています。弘前の桜は、りんご栽培で培われた樹木の管理技術によって長寿なのだとか。毎年欠かさずに行われる剪定と施肥が、その秘訣だそうです。

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桜の時期、花びらでピンク色に染まるお堀。夏の緑のお堀も素敵です。外堀は一周約3キロ。多くの市民や観光客が、散歩を楽しんでいました。

さて、家族3人での街歩きを切り上げて、「弘前路地裏探偵団」に参加するべく、集合場所に向かいましょう。
(以下、後編につづく)

※編集室A  2014/7/5取材、8/4公開

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 ◆「弘前路地裏探偵団」の街歩きに参加
 ◆「ひろさきバル街」体験
 ◆弘前市りんご公園