夜の海に光が浮かぶ、津軽海峡「漁火夜景」
120822M01.JPG函館の夜景といえば、海にはさまれた市街地のきらめきが思い浮かびますが、季節限定のスペシャルな夜景があるのをご存知ですか。

夏から秋にかけて、津軽海峡で真イカ漁が行われるとき、夜の海に煌々と灯るのが「漁火(いさりび)」。函館山から見おろす海に、幻想的な光が点々と浮かびます。

函館の風物詩として人気の高い漁火について、その魅力をご紹介しましょう。
 
◆函館山山頂の漁火広場から、津軽海峡の「漁火夜景」を一望

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函館山ロープウェイの山麓駅から3分、山頂駅に到着します。ロープウェイを降りると、人波は右のほうへ。市街地を一望できる展望台や売店へと向かう人がほとんどです。

一方、左に進んで屋外に出ると、混雑もほとんどない広場になっています。ここが通称「漁火広場」とされる、漁火鑑賞の名所。市街地の右手に広がる津軽海峡が一望できて、天気のいい日には青森県の下北半島もよく見えます。津軽海峡で真イカ漁が行われる時期には、夜になると漁火が出現。街の灯りとはまた違った、幻想的な光景が現れます。

漁火広場(函館山緑地)
問い合わせ 函館市土木部緑化推進課0138-21-3431

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展望台からの市街地の夜景(左)と漁火広場からの海の夜景(右)、両方楽しみたい


◆漁火の正体は、イカ釣り漁船の集魚灯

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函館で毎年6~12月に行われる真イカ漁。イカ釣り漁船には、びっしりと集魚灯がぶら下がっています。
函館市漁業協同組合の高谷さんによると、1隻で120kWもの明るさで昼間を再現しているとのこと。
「集魚灯というと、光でイカが集まってくると思われますが、イカは実は光が苦手。
影になる船底に潜んで、光に寄ってくる小魚を捕食しているところを釣り上げるんです」。
津軽海峡に漁場が来るのは、7~9月(戻り漁は11~12月)とのこと。漁のある日には、夜の海に漁火がまばゆく輝きます。


◆津軽海峡に面した大森浜からも、海に浮かぶ漁火が見える

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漁火は、函館山から湯の川温泉方面へと続く海岸、大森浜からも見ることができます。海沿いを走る国道278号線の宇賀浦町~湯川町間4.5kmは、平成3年の公募で「漁火通」と名前がつけられたそう。ジョギング、サイクリング、ドライブの人気コースです。

この日は、函館山の南東端の立待岬の先に、漁火が点々と並んでいました。山裾の街の灯、山頂展望台の灯りとのコントラストも印象的。それと知らずに見た人なら、「あれは何?」とその明るい光にびっくりすることと思います。

イカ漁の季節には、風情ある「漁火夜景」を訪ねて、夜の海岸散歩(ドライブ)に出かけてみませんか。

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大森浜の中ほどにある啄木小公園(左)。砂浜に下りると漁火が間近に見え、波打ち際まで明るく照らし出される(右)。


◆漁火鑑賞エリアマップ

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真イカ漁の漁場は函館の南の津軽海峡に広がり、立待岬や大森浜から漁火が見えます。
イカの群れは、最初は日本海側から北上して道南の松前のほうから、
次に太平洋側から北上して函館市東部の恵山のほうから、函館沖に入ってきます(7~9月)。
その後、行ったん漁場が北に移り、11~12月には再び「戻りイカ」がやってきます。
ちなみに、漁火が見られるのは函館のほか、主に日本海側。夜間操業して朝せりにかけ、朝から新鮮なイカを提供します。
八戸などの太平洋側は、昼イカ操業で昼間にせりが行われるところが多いそうです。

※編集室M 2012/8/20~22取材、8/23公開
  取材協力/函館市漁業協同組合 専務・高谷さん、函館開発建設部広報官 広報係長・東出さん