街を覆う初夏の絶景、函館山の「雲海」
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(2015/4/30撮影 昇る朝日と雲海。神々しい早朝の風景)

目の前に広がる幻想的な雲の海、雲海(うんかい)。北海道トマムの「雲海テラス」や、兵庫県の「天空の城」竹田城など、全国に雲海の名所がありますが、ここ函館の函館山でも、初夏を中心に見事な雲海が見られる日があります。日本に関する旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に、三つ星として掲載されている「函館山からの眺望」。その顔のひとつ、函館山から見る雲海の魅力を、たっぷりとお届けしましょう。


◆函館の雲海は、海と山が作り出す自然のマジック

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(2014/6/22撮影 押しよせる雲海。あっという間に街が雲に覆われていく)

今回紹介している雲海の写真を撮影したのは、函館の風景を写真に収めてブログ等で発表している「はこぶら」記者。「雲海が発生すると、街や海の痕跡を消し去り、目の前にあるのはどこまでも続く雲と山々、そして広大な空と雲を照らす太陽。それはまるで自分がおとぎ話の世界に迷い込んで、雲の上の住人になったような不思議な体験です」と、魅力を語ります。

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(2012/4/25撮影 雲は右手の津軽海峡からやってきて、街に流れ込む)

雲海になる条件は、湿度が高い空気が、強い放射冷却で冷やされて霧や雲が発生し、無風状態でその場にたまること。函館では、海上の湿った空気が冷やされて海霧が発生し、山影にたまって雲海になるのです。だいたい4月の終わりごろから8月くらいまでが雲海の季節。いつも見られるわけではないので、出会えたらラッキー! 晴れて冷え込んだ日の早朝がねらい目になります。


◆雲の厚さもいろいろ。雲の波の彼方に山が浮かぶ「大雲海」が壮観!

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(2013/5/27撮影)
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ふだんは函館の街が見渡せる標高334メートルの山頂展望台。眼下に厚い雲が立ち込めた景色はまさに「雲海テラス」、同じ景色とは思えません。前方の横津連山が、海に浮かぶ島のようです。雲の上はこんなに晴れていて、太陽の光に雲の凹凸がくっきりと見え、手を伸ばせば届きそう!

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(2013/5/27撮影)
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函館湾の風景をバックに記念写真を撮る人の多い山頂広場も、厚い雲の上。不思議な記念写真になりそうです。

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(2013/5/27撮影)
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天気がいい日には、函館湾の向こうに標高1131メートルの駒ケ岳が見える展望スポット。湾を覆う柔らかそうな雲は、まるでどこまでも広がる絨毯のよう。雲海の上にひときわ目立つ駒ヶ岳までも、このまま歩いて行けそうな気分になります。


◆山頂展望台からのパノラマ雲海の動画

(2015/4/30撮影)

函館山の山頂展望台から「大雲海」を、同じ記者が撮影した動画です。市街地方面から津軽海峡、渡島半島南部の知内・松前方面、函館湾......と、ぐるり360度を雲海に囲まれているのがわかります。


◆雲海を外から見るとどうなっているの? 雲海の下はどんな感じ?

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(2014/7/24撮影/anone)
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函館山の山頂展望台から一面の雲海が見えているとき、外から眺めるとこんな風になっています。空も地上も意外なほど晴れていて、低く立ち込めた厚い雲の上に、山頂がぽっこり頭を見せています。これは、函館山のビュースポット「啄木小公園」からの写真。ふだんの写真と比べてみましょう。

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(2014/5/31撮影)

一方、雲海の真下はどうなっているかというと、一面濃い霧に包まれていて、函館山や空は見えません。山頂で雲の上の世界を見たあと、山から降りて霧の街に立つと、夢から醒めて現実に戻ったような気分になります。



◆雲海と朝日のコラボは感動的

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函館山からは、季節や時間によってさまざまな光景が見られますが、夜明け前の茜色の空と街灯りが競演する「朝夜景」も、最近人気が高まっています。「初夏の晴れて冷え込んだ日の早朝」に出やすい雲海ですから、時に朝夜景とのコラボが見られることがあります。これは、夜明け前に東の空が赤くなってきた頃、街の上空に雲海が現れたところ。

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その後、一面の雲海になり......

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またすっと雲海が去って、朝日が上るというドラマチックな展開を目撃できることもあります。
「この日は午前3時頃から函館山に行き、日の出が4時6分。最初は綺麗な夜景でしたが、突然雲海が現れて、また消えて、素晴らしい日の出が見られました。これが1時間のうちのできごとです。変わりゆく函館の景色を堪能しました」。
(2017/6/18撮影/Hotel Sea Borneスタッフ)



◆夕方や夜の雲海も幻想的

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(2011/6/17撮影/編集室M)

雲海が発生するのは、夜明け前から早朝にかけてが多いのですが、夕方や夜にも現れることがあります。夕日に照らされて黄金色に輝く雲海、街灯りが映り込む夜の雲海など、幻想的な風景が見られるかもしれません。



◆函館山展望台は雲海ステージ。ライブカメラで眺望をチェックできます

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(写真提供/函館山ロープウェイ)

函館山の山頂展望台は24時間立ち入りが可能なので、早朝の雲海鑑賞にも便利です。雲海シーズンのロープウェイの営業時間は10~22時(上り最終21時50分)で、17~22時を除く時間は車で山頂まで行くこともできます。

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(2016/6/21 15時ごろのライブカメラ映像)

雲海の出方をチェックするには、函館山からのライブカメラの映像が役に立ちます。山頂展望台からの眺望がリアルタイムで表示されます。当サイトのトップページの「函館山インフォメーション」コーナーにも表示されています。

※記者L (晴れたときの写真提供/函館山ロープウェイ) まとめ/編集室M
2015/5/29公開、2017/6/24更新