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きゅうといせん
1936(昭和11)年着工、戦時中の17年に中断した、未完成の鉄道路線「戸井線」。現在、線路跡は道路や遊歩道となっているほか、トンネルやアーチ橋が現存する。
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函館市内から国道278号線(下海岸線)を旧戸井町に向かう途中、汐首灯台下の山の中腹に、古代ローマの水道橋のようなコンクリート造りの大きなアーチ橋を見ることができます(橋に上ることはできません)。これが一度も列車が走らなかった幻の鉄道「戸井線」の跡です。
1936(昭和11)年に着工された戸井線は、五稜郭駅から戸井駅までの29.2kmを結ぶ予定でした。津軽海峡の防備のために建設された汐首岬砲台への物資輸送や、青函連絡船の輸送距離を短絡するため、戸井から津軽海峡を隔てた青森県の大間まで連絡船を運航し、大間から先は大間線(大間~大畑間、未完成)に接続するという計画があったものの、1942(昭和17)年に戦局悪化や資材不足により、わずか2.8kmを残して工事は中断。五稜郭駅から湯の川付近までの線路が敷かれ、湯の川から先の区間も戸井までの路盤や橋梁がほぼ9割方完成した状態で、廃線となりました。この特徴的なアーチ橋は、戦時下という事もあり、資材節約のために鉄筋を使用していないそうです。
戦後、青函トンネルの計画が浮上すると、戸井線は「東ルート」の一部として工事が再開される可能性がありましたが、結局は江差線や津軽線を経由する「西ルート」での建設が決まり、残された路盤は地元自治体へ払い下げられました。現在では、道路や遊歩道「緑園通り(深堀町~湯の川の自転車・歩行者専用道路)」に転用され、緑園通りには小ぶりなアーチ橋も残されています(右上)。また、汐首岬に向かう途中の汐泊川河口付近には、橋脚が残されています(右下)。
※記者X 2012/07/06公開 2022/12 更新
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