心も体もあったまる 炉端焼きのうまい店<その1>
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せっかく函館に来たなら、この地でしか味わえない食材に舌鼓を打ちたいもの。
旬の食材や野菜、新鮮な肉を炭火でじっくりと炙り、ジュワっと焼ける音や香ばしい匂いも楽しみたい。
冬だからこそ、いろりを囲んで心も体も温まれるお店を紹介します。前編は函館市西部地区~駅前の4店舗です。
■いろり焼 蔵や(函館市末広町)
女将選りすぐりの魚や肉をゆっくり味わう大人な時間
海産物をはじめ北海道の美味を炭火焼きで堪能できる居酒屋。1997年に開店し、2011年に現在の場所に移転した。現在は2代目の林裕美女将がスタッフとともに店を切り盛り。ほっと心落ち着くレトロな雰囲気の店内には、掘りごたつの小上がりとテーブル席を配置。仕切りで個室にもでき、一人客から仲間連れまで、温かないろりや七輪を囲み、思い思いの時間が過ごせる。
炭火焼きはできるだけ素材そのものの味を楽しんでほしいと、肉に岩塩、魚に海塩を使って、軽く下味を付けたものが中心。魚介は老舗鮮魚店から仕入れる、胆振管内むかわ町産子持ちシシャモなどの定番から日替わりと、林女将が目利きした鮮度の良いものが揃う。この日はあっさりとした味わいのアナゴのしょう油漬け、自家製ネギ味噌がアクセントの身欠きニシン、肉はワサビ塩で口当たりさっぱりと食べられる黒毛和牛イチボ、ラムチョップといった豪華な顔ぶれ。焼き網に乗せじっくり焼き上がりを待てば、立ち上る香りが鼻腔をくすぐり、料理への期待が高まる。
いろり焼 蔵や
函館市末広町7-7
☎0138-22-7628
18時~22時(20時45分最終入店、21時半ラストオーダー)
日曜定休(ほか不定休あり)
禁煙 駐車場あり(2台)
キャッシュレス決済利用可
■海鮮炉端 北乃路(函館市大手町)
〝北海道の旬〟を目の前で焼くワンランク上の囲炉裏料理を
ベイエリアのラグジュアリーホテル「センチュリーマリーナ函館」の新棟で、2025年8月にオープンした炭火焼きレストランは、大きな窓に面した開放的なカウンター席やテーブル席、周りを気にせずくつろげる完全個室まで、各席の専用いろりで伝統的な和食ベースのコース料理を提供。食材の特徴や適切な焼き加減を知る専門スタッフが、北海道の旬の味覚を目の前で焼き上げ、炭火ならではの風味や香りを洗練された空間とこだわりの器で楽しませてくれる。
マスの笹寿司やブリの南蛮漬けなど前菜4品に始まり、カニの葛あん茶碗蒸しや揚げたての野菜のかき揚げを味わったら、いろりを彩る本日の魚介がお出まし。道産のボタンエビ、ツブ貝に、この日は噴火湾産のホッキ貝が用意され、担当のスタッフが自家製の割りしょう油で味付けしつつ火加減を調整し、料理の解説を交えながら器に盛り付けてくれる。土鍋用ワゴンで運ばれてくる信楽焼・雲井窯に特注する土鍋の炊き込みご飯は、ふたを外した瞬間立ち上る湯気までごちそう。デザートに小さな炉で串団子を自分で焼いて味わえば、思い出深いひとときを体験できる。
海鮮炉端 北乃路
函館市大手町22-13
センチュリーマリーナ函館2階 炭火レストラン
☎0138-85-6972(レストラン専用)
17時~21時半(19時半最終入店)
無休 禁煙 駐車場あり
■海鮮料理と釜めし あらき(函館市若松町、函館朝市)
昼も夜も七輪を囲んでまったり旅人気分
海産物卸問屋「函館北栄」が2021年に開店した飲食店。新鮮な海の幸を豊富に揃え、注文を受けてから15分程で炊きたてを提供する看板メニューの釜めしや刺身、一品メニューがランチタイムから楽しめる。
隣接する函館北栄直営の小売店「カネダイ荒木商店」の海鮮焼き人気を受けて、2025年8月に物販ブースを改装し、七輪炭火の炉端焼きエリアを設置した。昭和を彩ったコントグループやアイドルのレコードジャケット、プラモデル、少年漫画誌などを飾り、ノスタルジックな雰囲気を演出。小上がり席のテーブルとカウンターに作り付けた炉には、七輪が2台置け、生けすの活魚介など、来店客が自由に焼いて味わえる。焼き網の上でじわじわと焼けていく羅臼産根ボッケは脂乗りが抜群で、クツクツと音をたてるカキはエキスもたっぷり。ホタテには鮭節しょう油を少しかけるのがおすすめだという。また、焼き網を鍋に変えればジンギスカンも一緒に食べられ、観光客気分を心行くまで満喫できる。
海鮮料理と釜めし あらき
函館市若松町9-22 函館朝市ひろば1階
☎0138-85-8357
12時半~22時半(22時ラストオーダー)※ランチは15時まで
無休 禁煙
2200円以上の利用で 函館朝市提携駐車場が1時間無料
キャッシュレス決済利用可
■焼肉 菊池(函館市東雲町)
店主の技と情熱で焼肉がもっと好きになる
時折パチパチと鳴る炭の音を聞きながら熾火を眺めていると、焼肉店に来たのを忘れそうな穏やかな気持ちになる。関東の焼肉店で10年腕を磨いた店主は、趣味のマグロ釣り仲間との縁を介し、2025年に大門地区で店を開業。店内の各テーブル席にいろりを造り付け、伝統的な製炭技術を守る森町駒ケ岳の「山上薪炭」の炭を、白老で学んだアイヌ式の薪の組み方で燃やし、厳選肉を最良の方法で提供しようと日々心を砕く。
信頼する生産者や東京の食肉市場から納得した肉のみを仕入れ、時には店主自ら現地に足を運んで築く看板メニューは、仙台牛が基本の健康な和牛と新鮮なホルモン。中でも抗生物質を使わず育つ増田牛は、全体にサシが入りながら口の中で溶けて消えるような軽い脂が絶品。白老牛の元祖とされる希少な武田牛は、ワサビしょう油で味わうと赤身の旨みと脂の甘みが際立つ。「タレや焼き方も揃って初めて良い肉になる」と、2週間熟成させた自家製ダレを用意し、肉ごとの焼き方もアドバイス。閉店後はスタッフと肉の勉強会を重ねている。店主の情熱に裏打ちされた味を堪能すれば、予約で満席日が多いのも納得だ。
焼肉 菊池
函館市東雲町18-5
☎0138-78-1644
17時~時(フード22時、ドリンク22時半ラストオーダー)
※肉がなくなり次第終了
月曜定休 禁煙
クレジットカード利用可
(この記事は、フリーマガジン「ハコラク」2026年1月号から再構成したものです)