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北海道遺産「ジンギスカン」を函館で楽しむ

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独特の形の鍋で羊肉と野菜を焼いて食べる「ジンギスカン」。北海道民がこよなく愛するこの料理をあらためておさらいするとともに、地元で人気のジンギスカン店をご紹介します。
 
◆ジンギスカンの魅力
 
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ジンギスカンは、「北海道遺産」にも認定されている郷土料理。その始まりは、大正から昭和20年代にかけて、国策として羊毛生産のための綿羊飼育が推奨されたことにありました。北海道でも2カ所の飼育場が設けられ、それにともなって羊肉の有効活用法として、タレに漬け込んで焼く調理法が考案されました。
 
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鉄鍋に食材を乗せて焼き上げる豪快なスタイルが北海道民の気質にぴったりだったのか、これが全道に広まり、北海道を代表する郷土料理と言われるまでになりました。ビールにもよく合うので、ビアホールやビアガーデンの定番料理にもなっています。使う食材に細かな決まりはなく、好きな食材や季節の野菜を自由に焼いて食べられる懐の深さも魅力のひとつです。
 
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多くの北海道民にとって、ジンギスカンは日常的な食べ物であるとともに、「ハレの日」の食べ物でもあります。特に象徴的なのは「お花見ジンギスカン」。北海道のお花見はほとんどの場合、静かにお弁当を広げるのではなく、ガスか炭火のコンロでわいわいとジンギスカンを楽しむスタイル。肉の焼け具合に気を取られて、桜を鑑賞せずに花見を終えたりするのもご愛嬌です。
そのほか、キャンプや海水浴などの屋外行事、離れて暮らしている家族が集まったときや新人歓迎コンパなど、北海道民の生活のあらゆる場面にジンギスカンは登場します。
 
 
◆ジンギスカンの道具、食材のご紹介
 
そんな、北海道民のソウルフードであるジンギスカンを手軽に味わうことができるのが、ジンギスカン専門店。旅行で函館に来たみなさんが、初めてのジンギスカン店で戸惑わないために、まずはジンギスカンの基本をおさえておきましょう。
 
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ジンギスカンといえば、この中央が盛り上がった形の鋳鉄製の鍋。現在市販されているジンギスカン鍋のほとんどは基本的にほぼ同じ形状で、深さや溝の彫り方、スリットの有無などに違いがある程度です。様々なメーカーが販売していますが、品質の高い南部鉄器の鍋を愛用するジンギスカン店も多いようです。一部の店ではジンギスカン鍋でなく、鉄板を使用しています。
 
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ジンギスカン用の肉は、羊の肉が基本。出荷時の羊の年齢によってラムとマトンに分けられ、また保存法によって生肉と冷凍肉に分けられます。ラムは生後1年未満の肉で、柔らかくてクセがないのが特徴。成羊の肉であるマトンは、羊肉ならではのコクや旨みがありますが、ラムを好む消費者が圧倒的に多いため、置いていないジンギスカン店も少なくありません。
生肉は読んで字のごとく、一度も冷凍されていない肉。柔らかくてみずみずしさがあり、クセもほとんどありません。ジンギスカン店ではほとんどの場合、「生ラム」と表記されています。一方、「丸ラム」などと表記されていることの多い、輪切りにした丸い肉は冷凍肉。様々な形の肉を棒状に固めて冷凍したもので、正式には「ロール肉」と言います。生肉に比べると柔らかさには劣りますが、保存技術や輸送手段の向上によって生肉が一般的になる以前はロール肉しかなかったこともあって、今でも年配のかたを中心に根強く支持されています。写真は手前が生ラム、奥がロール肉(ラム)です。
 
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メニューに「味つけ肉」を加えている店もあります。これはラムやマトンを醤油ベースのタレに漬け込んでから焼くもので、ジンギスカンが考案された当時の食べ方と同じです。函館のジンギスカン店では主流ではありませんが、北海道の滝川市など、内陸地方では味つけ肉でのジンギスカンが主流です。
 
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ジンギスカンに欠かせない焼き野菜の材料。代表的なのは、もやし、玉ねぎ、キャベツ、ねぎ、ピーマン、ニンジンなど。ニラ、かぼちゃ、なす、きのこ類などを出す店もあります。
 
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ニラやニンニクに似た強い香りを持つ山菜、ギョウジャニンニクも、ジンギスカンで人気のある食材のひとつ。春の山菜なので食べられる期間は限られますが、運がよければ、ジンギスカン店の期間限定メニューとして出会えるかも。
 
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ジンギスカンのタレは焼肉のタレに比べ、さらりとしていて甘くないという特徴があります。醤油をベースに、すりおろした香味野菜や果汁などを加えて味をととのえたものが一般的です。すりおろした生姜や唐辛子を加えるのを好む人もいます。
 
◆How to お店ジンギスカン
それでは、ジンギスカンの焼き方のコツを伝授しましょう。多くのジンギスカン店では、1人前の肉と野菜を盛り合わせたセットを用意しています。また、時間制の食べ放題を実施している店もあります。初めて体験する場合は、お店の人に「初めてなので」と伝えて、おすすめの食材や焼き方をきいてみましょう。
 
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生肉と冷凍肉ではおいしい焼き方が異なるとされます。生肉の場合、表面をサッと焼いてジューシーな柔らかさを楽しむため、鍋肌に肉を置いて直に焼くとよいでしょう。このとき、鍋の一番盛り上がっている部分に肉を置きましょう。
 
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冷凍肉(ロール肉)の場合、少しでも柔らかくふっくらと焼けるように、鍋全体に野菜を敷き詰め、その上に肉を広げて蒸し焼き風にするのがおすすめです。
 
◆函館のおもなジンギスカン店(最新情報は各店にご確認ください)

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羊羊亭
豊川町12-8 0138-24-8070
ベイエリアに近いジンギスカン店。柔らかいラム肉のほか、味わい深い八雲産豚も提供。生ラムロースをはじめ5種類の肉が食べられる60分食べ放題など。
 
 
 
 
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箱館ジンギスカン本店
若松町12-8 HAKOVIVA内  
0138-83-5566
函館駅前の好立地。肉は北海道産にこだわり、ジンギスカン、焼肉やステーキなどを楽しめる。稀少なサフォークラムが自慢。
 
 
 
 
 
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松羊亭
松陰町18-35 0138-55-2989
おひとり様でも気軽に食べられる、卓上の鉄板鍋で焼くスタイル。ロール肉と焼き野菜、ご飯・味噌汁などの食べ放題コースが人気。
 
 
 
 
 
 
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テムジン
湯川1丁目29-4 0138-57-1787
おすすめは契約牧場から直送した、貴重な北海道産最高級サフォークラム肉が食べられる「生ラム(ガングロ)セット」。炭火でミディアムに焼いて召し上がれ。
 
 
 
 
 
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末広町14-12 0138-27-1010
ラム肩ロース400gをどーんと鉄板焼きスタイルで出す名物メニュー「ジンギスカンビヤホール風」。明治の面影が残るレンガ倉庫で、自家醸造ビールのジョッキを片手に。
 
 
 
 
 
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大手町5-22 0138-23-8000
世界でも珍しいアルコール度数10%の自家醸造ビール「社長のよく飲むビール」に漬け込んだ肉を焼いた、その名も「社長のよく食べるジンギスカン」がおすすめ。
 
 
 
 
 
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松風町7 大門横丁内 090-5223-0837
JR函館駅近くの屋台村にあるジンギスカン専門店。コの字型のカウンターに置かれた七輪で、特上ラムや味わい深いマトンを焼くスタイル。一番人気は「生ラム 特上肩ロースセット」。
 
 
 
 
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松風町8-6 0138-76-8165
JR函館駅から徒歩5分、大門横丁そばにあるジンギスカン専門店。北海道を代表する2種類のタレと、約50種類の調味料を自由に組み合わせて食べられる。
 
 
 
 
 
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本町22-28 0138-55-5514
市電「五稜郭公園前」電停近くの路地にある。おすすめは「生ラム・ジンギスカン食べ放題」。生ラム、ラムロール、豚カルビ、豚ホルモン、焼き野菜、ライス、カレールー、スープなど。
 
 
 
 
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亀田町14-1 0138-85-6661
一日最大7組ほどの完全予約制。独自に考案した塩ダレで楽しむジンギスカンが話題。イチオシは、特選函館塩ネギジンギスカン。
 
 
 
 
 
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五稜郭町43-9 五稜郭タワー2階 090-6694-7500
五稜郭公園に夜桜電飾が点灯する、お花見期間のみの営業。肉・野菜・タレ・皿・はし・紙おしぼりにコンロと鍋まで付いてくるので手ぶらでOK。要予約。
 
 
 
 
 
2016/12/4公開

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