70店前後の飲食店が、この日のためのバルメニューを提供。チケットとマップを手に街を歩き、美味しい料理とおしゃべりを楽しめば、街全体がにぎやかなバル(立ち飲み居酒屋)のように感じられます。
2013年春のバル街、「はこぶら」記者は4手に分かれて、街のにぎわいを楽しみました。エリアごとの見どころをたっぷりお伝えしましょう。
(生ハムとワインの振る舞いを待つ人でにぎわう十字街)
◆インフォメーションセンターが設けられる、バル街の中心「十字街エリア」 by記者K十字街は、かつては函館随一の繁華街として栄えたエリア。昔のデパートの建物を利用した「函館市地域交流まちづくりセンター(まちセン)」は、今も街に華やぎを添えています(上の写真)。
総合インフォメーションカウンター「バル街 i 」が設けられた「まちセン」や、生ハムやワインの振る舞いが行われる「アクロス十字街」を含むこのエリアは、いわばバル街の中心地区です。バル街 i には全店の当日のメニューが掲出され、ライブなどの協賛イベントの情報も集約されているため、ここをスタート地点にすると便利。バル街の名物となっているアクロス十字街前での振る舞いとそれに並ぶ行列は、往時のにぎわいをほうふつとさせる非日常的な光景といえます。
まちセンは、和服でバル街に参加しようという呼びかけ「きものdeバル」のメイン会場ともなっており、バル街iのカウンターにいるスタッフも和服で応対していました。





(左)和服の人にお酒などを振る舞う「きものdeバル」。着付室や簡単着付け無料サービスもあり
(中)各店内や街角で行われる生演奏も楽しみのひとつ(cafe Drip Drop)
(右)創業明治12年、五島軒の「王朝の間」を埋め尽くす紳士淑女。バンド演奏にあわせて自然と手足が動き出す!
〈ピンチョスレポート〉



(左)函館市地域交流まちづくりセンター内「cafe Drip Drop」は、函館出身の店主が営む佐渡島「のらいぬcafe」などとのコラボ。
新潟産ハーブ豚のメンチカツなど、新潟産の食材中心のピンチョスを自家焙煎コーヒーとともに提供。 ※第20回は参加なし
まろやかな抹茶でほっと一息。店の外にお茶席を設けての野点も行われました。着物で来店した人には抹茶の振る舞いも。
(右)函館で最も古い歴史を持つ洋食店「五島軒本店」は、格調高い「王朝の間」をバル街会場として使用。
ピンチョスは鱈とチーズ・牛舌スモークのカナッペとチーズフライ。ビッグバンドの生演奏を聴きながら、ワインで優雅に乾杯。
◆坂の上からの街の景色も素敵「元町・教会エリア」 by編集室M

坂の途中には、バル街に参加する個性豊かな人気店が点在しています。二十間坂、大三坂、八幡坂、日和坂、基坂......と、ゆっくり歩いてみるのもいいですね。
二十間坂上のカフェ・ペルラでは、街を一望できるガラス張りの空間で、バイオリンカルテットの生演奏が行われていました。また、さらに高台に建つセンティール・ラ・セゾン函館山では、ウエディング対応のレストランらしく、オープンテラスから見渡せる教会の夜景が華やいだ気分を演出。ピンチョスはもちろん、シチュエーションのよさも味わいたい人におすすめのエリアです。
十勝マッシュルームとゴーダチーズのクロックムッシュと、ごまみそハチミツと甘夏のコンフィチュールのバゲット。
(中)tomboloのお隣、古民家を改装した蕎麦店「久留葉」は、日本酒好きをうならせる純米生原酒・中垂れ「奈良萬」を提供。
彩野菜と枝豆のゼリー寄せ、牛肉のバーボン煮 出汁大根添え、梅と大葉のケークサレ風と、凝りに凝ったピンチョス。
(右)ハコダテモダンフレンチをうたう「レストラン センティール・ラ・セゾン函館山」のフォアグラのポアレとトリュフのリゾット。
赤ワインにぴったりの極上の味。ウエディングレストランらしく、キャンドルの演出がおしゃれで、トリュフもハート型 !?
◆ライトアップされた赤レンガがロマンチック「ベイエリア」 by編集室N

周辺ではライブパフォーマンスも繰り広げられ、お祭りムード満点。函館らしい歴史的建造物や、ライトアップされた倉庫群を眺めながら、食べ歩きを満喫できます。
ベイエリアは海沿いの平坦な地域ですので、坂道歩きに自信のないかたや、小さいお子さん連れにもおすすめ。市電「十字街」電停や、バル街案内所(函館市地域交流まちづくりセンター)からも近く、ベイエリア周辺のホテルからも徒歩圏内です。


ズワイガニの風味がたまらない揚げたてコロッケ、パン、肉、デザート、計4種のピンチョスは、見た目以上にボリュームあり。
(中)毎年行列ができるスペインレストラン、バルレストラン ラ・コンチャ。今回は自家製パン、ボリューム満点サラダ、
コロッケの3品。松前産べろつぶを使ったコロッケは、磯の風味が白ワインにマッチ。ドリンクは自家製サングリアも人気。
(右)函館国際ホテルのスカイランジ ル・モン・ガギューで、最上階からの夜景を堪能しながらホテルメイドのピンチョスを。
グリッシーニの生ハム巻き、サーモンのムース、スパニッシュオムレツで静かにグラスを傾けて、大満足のバル体験でした。
◆コトコト走る路面電車もお楽しみ「バル街電車でワイドに移動」 by記者TT

私はこのバル街電車を利用して、青柳町の「スカイラウンジ パノラミック」で市街地の夕景を楽しみ、新装開店の「すず音ダイニング」を訪ねた後、弁天町の「TACHIKAWA CAFE」へ。普段見慣れている街も、路面電車の車窓から見ると雰囲気もがらりと変わって見えます。
車内では、マップを手にした見知らぬ人と「ここのお店のピンチョーがよかったよ」「次はどこに行こうかな」といった話で盛り上がり、情報交換するのも楽しいものです。


(左)車窓から見る街はいつもとちょっと違った感じに (右)スカイラウンジ パノラミックからは市内の街並みを一望



(左)日が沈み、ライトアップされたTACHIKAWA CAFE (中)明治初期の建物を活用したcafe dining JOE
(右)バル街電車の車内掲示板
〈ピンチョスレポート〉



街並みを見ながらゆっくり過ごせるのがポイント。ピンチョスはふんわりさくさくのライスコロッケにサーモンのショーフロワー。
(中)畳敷きの掘りごたつ和室でいただける新スタイルの中国料理の店「新中国料理 すず音ダイニング」。
温かいサングリアで店主自らお出迎え。ピンチョスは海老の桜マヨネーズ、鴨のスモーク・大根の甘酢巻、ハーブカツレツ。
(右)1901年建築の土蔵造りの店で、国の重要文化財にも指定されている「TACHIKAWA CAFE」。
ピンチョスは豚足と豚煮込み、トルコ風ラフマジュン(羊肉のピザ)。歴史に思いを馳せながら、落ち着いた空間で過ごせます。
