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街灯りと朝焼けの競演、函館「朝夜景」
121026U002.jpg函館山から見る街の景色は、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも三つ星として掲載されている、とびきりの芸術作品のよう。とくに、宝石箱のようにきらめく「夜景」は、JTBの調査でも「もっとも印象的な夜景」に選ばれて、多くの人に愛されています。

函館夜景は、季節によってさまざまな美しさがありますし、時間の移り変わりによっても違った顔を見せてくれるもの。今回は、夜明け前の一瞬、朝焼けに映えるスペシャルな夜景をご紹介しましょう。

朝を迎える夜景、名づけて「朝夜景」。カメラ片手に街を探索する、函館在住アマチュアカメラマンの上田さんが案内してくれます。


◆夜の夜景は強くきらびやか、朝を迎える夜景はしっとり柔らか

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函館夜景見物には、多くの人がロープウェイで向かいます。運行時間は10~22時(冬期は21時まで)。日没前から眺めていると、だんだん街灯りがともりはじめ、空がブルーから紺、黒と変わっていきます。陸の部分は、街灯や住宅、オフィスビル、ホテルなどの照明で光り輝き、海の部分は漆黒の闇。この時間の夜景は、強くきらびやかなところが魅力でしょうか(左)。

ロープウェイの運行が終了すると、登山道の夜間規制(17~22時)が解除され、車で山頂に上ることができます(詳細は「函館山へのアクセス、早わかりガイド」参照)。翌日の天気予報を見て、もしも朝から晴れそうだったら、車で「朝夜景」を見にいくといいかもしれません。未明の街は、ほとんど街灯のあかりだけの、しっとりとした風情。そして、日の出の時間が近づいてくると、素晴らしいショーが始まります。


◆夜景と朝焼けの競演、そして正面右手から日が昇る

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私が「朝夜景」を見にいったのは、10月なかば。前日の天気予報では、翌朝は「お日様マーク」もあり、ひょっとして日の出見物ができるかも知れない......と久しぶりに早起きし、函館山山頂を目指して車を走らせました。

山頂に着いたのは日の出30分ほど前の5時15分頃で、最低気温が7.7℃いう冷え込み。防寒対策万全で上ったつもりでしたが、さすがに山頂は寒い......。訪れる観光客のかたも寒さに震え、「我慢できない......」と車に戻っていました。



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しかし、この寒さは空気を冷え込ませていることもあって、街の灯りは輝き、清々しさの中での「朝夜景」は最高! 遠くの駒ヶ岳をシルエットに、函館港を取り囲む灯りはリングを想像させます(上)。

三脚を据えたカメラマンに挨拶をすると、「綺麗ですねえ......」と言葉を返しながら、黙々とシャッターを押し続けています。たぶん、同じ気持ちでファインダーを覗いているに違いありません。

ベイエリアに目をやると、まだ眠りから覚めない街は灯りが消えたまま、摩周丸や教会などもライトダウンするなか、オレンジ色の街灯の暖かみのある光がくっきり浮かび上がっています(右)。

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東の空が白みかけて、山際が赤く染まってくる......。「函館朝夜景」は朝焼けに一段と映え、日の出前の露払いなのか、三日月がほんのりと朝夜景に彩りを添えてくれています。黄昏どきの函館山からの夜景はもちろん素晴らしい光景を作ってくれますが、日の出前の夜景は、また格別な美しさです。

このころになると、カップルや若者のグループが山頂に現れて、「わあ~きれい!」と感嘆の声を上げたりする姿も見られますが、次の瞬間「さむ~い! 耐えられない~!」と、携帯電話カメラのシャッターを押すと同時に、車へ走って戻ったり。


◆そしていよいよ日の出。街を朝日が染めていきます

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5時45分、朝日が市街地の東方・汐首岬の上に顔を出し、函館の街を照らしはじめます。いい日の出が見られました。日が昇ると暖かさも感じられ、朝日に照らされる函館の街を眺めていると、なんだかホッとする気分になります。

手前味噌かも知れませんが、「函館夜景」は夜も朝も素晴らしい! 函館の夜景は、やっぱり「世界一」です。

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太陽はこの時、ちょうど岬の先端あたりから昇りましたが、秋から冬にかけては右手の海の上から、また、春から夏にかけては正面の山並みから昇ってきます。

函館山登山道は、11月中旬~4月中旬まで積雪・凍結に備えて閉鎖されますので、車で「朝夜景」が楽しめるのは春から秋までになります。なかには、冬の登山道を徒歩で上り、ご来光を拝むつわものもいるようです。

※撮影・情報提供/JA8MEM まとめ/編集室M
2012/10/14取材、10/26公開