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レトロ市電・箱館ハイカラ號の楽しみ方

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例年4月15日から10月31日(火・水曜日を除く)に運行される、函館市電のレトロな電車「箱館ハイカラ號」。1918(大正7)年に函館で旅客車として運行が始まり、1993(平成5)年に観光電車として復元された、街の人気者です。眺めて、写真を撮って楽しい、乗ったらもっと楽しいハイカラ號の、乗車ガイドと撮影スポット紹介をお届けします。


◆ハイカラ號を楽しむ5つの基礎知識

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【1】運行は春から秋の毎週木曜日~月曜日

ハイカラ號の運行は、季節のいい春から秋まで。というのも、運転士と車掌のいるスペースは扉のない造りになっていて、気候の厳しい季節はお休みになります。例年の運行期間は4月15日から10月31日。また、荒天時も運休です。1週間のうちでは、毎週木曜日から月曜日にかけての運行。函館港まつり期間中の火曜日や、最終運行日の10月31日が火曜日の場合などは特例で運行されますが、火・水曜日は点検のために原則運休します。


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【2】走行区間は、一般の市電と同じ

ハイカラ號は、特別な路線を独自に走っているように思われがちですが、運行区間は一般の市電とまったく同じ。前後の電車の間を、ダイヤ通りに走ります。午前8時59分に「駒場車庫前」を出発する湯の川行きから1日の運行が始まり。湯の川→函館どっく前→駒場車庫前、駒場車庫前→谷地頭→駒場車庫前と運行し、昼休みを挟んで駒場車庫前→どっく前→駒場車庫前、駒場車庫前→谷地頭→湯の川、湯の川→駒場車庫前と運行して、1日を終えるスケジュールとなっています。 ⇒運行ダイヤ


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【3】乗車料金は、普通の市電と同じ210~250円

ハイカラ號は運転士と車掌が乗務するツーマン電車。運賃は一般の市電とまったく同じで、2kmまで210円、4kmまで230円、7kmまで240円、7kmを越えたら250円と、乗車距離に応じた運賃だけでOKです。運賃の精算は、車掌が車内を回って行うのがユニークなところ。料金を支払うと、ハイカラ號がデザインされた切符の半券を記念に持ち帰ることができます。


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【4】運賃はICカードで支払うこともできる

ハイカラ號でも、一般の市電と同様に、交通系ICカード(Suica、PASMOなど)が利用できます(PiTaPaを除く)。車掌の携帯する端末にカードをかざして精算。この場合も、ハイカラ號の切符が発行されます。なお、nimoca(ICAS nimoca含む)の同一停留場での乗り継ぎや、ポイント発行は対象外となっています。また、交通系ICカードを使っての一般の市電・函館バスへの乗り継ぎはできません。


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【5】走行位置がスマホでわかる

ハイカラ號の現在の走行位置は、スマートフォンやタブレット端末、パソコンで簡単に調べることができます(ロケーションシステム)。現在位置のほか、何分後に最寄りの停留場に着くかも一目でわかるので、ハイカラ號を撮影する際にも便利です。

レトロな雰囲気が特徴のハイカラ號ですが、ICカードやロケーションシステムなど、最新の技術も取り入れて、利用しやすくなっています。このギャップがなかなか面白いですね。



◆ハイカラ號の乗車体験レポート

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〈駒場車庫から出てきた!〉
ハイカラ號は「駒場車庫前」発着でダイヤが組まれており、車庫をあとにして五稜郭公園方面に向かう出庫線に出てきます。ただ、「駒場車庫前」8時59分発の始発便は、逆の湯の川方面に向かうため、そこから折り返して反対側のレールに移り、湯の川方面乗り場でお客さんを乗せて出発します。駒場車庫前→湯の川と、運行区間は短いものの、早めの便なのでお客さんは少なめで、ほぼ貸し切り気分を味わえることが多くなっています。

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〈前から乗り込みます〉
ハイカラ號は、一般の市電と異なって「前乗り後ろ降り」。進行方向の運転士が立っているデッキが乗り口です。低床車ではないので、入口などに段差があり、乗り込む際や下車する際には足もとにご注意を。

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〈車内は少し狭めです〉
ハイカラ號は、一般の市電と比べて車幅が狭め。前の座席との距離が近く感じられます。内装はとてもクラシック。板張りの床や、壁、窓枠、日除け、天井などは、木目がよく見えるニス塗りで仕上げられており、明治・大正時代の路面電車の姿にこだわって再現されているのがわかります。

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〈パーツひとつひとつがレトロ調〉
天井にはガラス製のカバーで覆われた白熱電球、つり革もプラスチック製ではなく籐製で、レトロ感満載です。出発の際などには「チンチン」とベルが鳴りますが。これは運転手と車掌の連絡のための合図。たとえば、お客さんが次の停留所で降りるときには、車掌さんが「チンチン」と2回ベルを鳴らします。これがチンチン電車という言葉の由来のひとつとか。ベルは前後を変えて2組ついているので、進行方向が変わっても合図できるようになっています。

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〈席で料金を支払います〉
さて、乗り込んで着席すると、車掌の女性乗務員が傍らにやってきて、車内で料金の精算を行います。行き先を告げると運賃を教えてくれるので、現金または交通系ICカードで支払うか、1日・2日乗車券を提示しましょう。現金・交通系ICカードのかたには、ハイカラ號専用乗車券の半券が渡されるので、乗車記念として持ち帰ることができます。

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〈運転台や前方の景色がよく見えます〉
ハイカラ號では運転士も車掌も、運行中は立ちっぱなしの重労働。扉越しに見える運転中の凛々しい姿は、絵になります。外との扉はありませんから、運転していないときには時折観光客に手を振るなど、市電のPRにも一役買っています。

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〈レトロな窓枠からの景色は格別〉
窓を開けるにはコツがいるので、車掌さんに頼んで開けてもらいました。日差しが強いときには、木製の鎧戸を引き出してもらうこともできます。木製の窓枠越しに眺める景色は、今の市電とはちょっと違ってレトロに感じられるかも。自然の風も心地いいものです。目的地に着いたら、車掌の乗務する後ろ側から降ります。



◆ハイカラ號を撮影するのにおすすめのスポット

*走行位置や到着予定時刻の確認はロケーションシステム
*通過時刻の目安は主要停留場通過予定時刻表

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【駒場車庫前】
駒場車庫で待機しているハイカラ號や、車庫から道路へ出入りする姿は、なかなか魅力的。特に、湯の川方面への乗り場の競馬場側の末端から、五稜郭方面へ向かうハイカラ號の出庫シーンをよく見ることができます。なお、軌道内にはみ出て撮影するのはNGです。


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【五稜郭公園前交差点】
2017年に開業したシエスタハコダテの前では、真新しい建物を背景に走るハイカラ號の姿を収めることができます。ちょうど、90度カーブするのが絵になるスポットです。ただし、交通の流れ次第では車や他の市電と被る可能性もあるので、幸運を祈りましょう。


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【函館市地域交流まちづくりセンター前】
十字街電停から徒歩すぐの函館市地域交流まちづくりセンター前の歩道も、格好の市電の撮影スポット。大正時代に建てられたデパートの建物は、ハイカラ號のような古い車両によく似合います。


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【大三坂の途中から】
電車通りから大三坂を少し上がったところからは、季節によっては色づく街路樹や、満開の桜の木とハイカラ號を一緒に撮影することができます。ゴトゴトと近づいてくる音を聴いて、シャッターチャンスを狙いましょう。正面には、バルレストラン ラ・コンチャのレトロな建物も覗いています。


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【市立函館博物館郷土資料館前】
1880(明治13)年に建てられた旧金森洋物店時代から、店の前には現在の路面電車の始祖となった馬車鉄道の軌道が敷かれており、1918(大正7)年に千葉県成田市から函館へ嫁いできた「39号」ことハイカラ號とは、いわば古くからの顔馴染み。一緒に撮影すると、明治・大正の雰囲気を味わえる1枚になります。


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【基坂の下から】
末広町電停からほど近い基坂下も、名撮影スポット。明治天皇御上陸記念碑のある緑地帯から函館山を背景にして撮影すると、観光ガイドブックでもおなじみのカットになります。坂の上の旧函館区公会堂も一緒に収められるように、一般の市電で練習をするといいでしょう。


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【相馬株式会社前】
こちらも基坂の下ですが、元町観光駐車場側の歩道から、相馬株式会社の社屋を一緒に撮影できるこのスポットも、観光ガイドブックなどでもよく見かける名所です。1913(大正2)年に建てられたハイカラな建物との相性は抜群。色合いのコントラストも美しいものです。


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【青柳町付近の坂】
青柳町電停から谷地頭電停までの坂も、映画などのロケ地としておなじみの絵になる風景。函館山の緑を背景に坂を上り下りするハイカラ號の赤がよく映えます。中間は多少曲がっているので、この曲りと望遠レンズを駆使すると、ハイカラ號を真正面に捉えることができます。一度シャッターチャンスを逃しても、終点の谷地頭電停で折り返してくるのを5分ほど待つと、もう一度シャッターチャンスが狙えます。


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箱館ハイカラ號(データベース)
函館市電(データベース)


※記者X(一部写真撮影/編集室M) 2017/8/31取材、9/21公開